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ξ゚听)ξツンが温もりを得たようです

345 名前:閉鎖まであと 1日と 19時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 01:10:13.92 ID:a4NLE1JnO
ごめんね。
そう言われても私の気持ちはなにも変わらない。
泣きながら謝ってきても、私はなんとも思わない。
ただ鬱陶しく感じるだけ。

朝の憂鬱を覚えながら学校の授業を受ける。
先生の言葉は私の耳には入ってこない。
今は何も聞き取りたくない。
私の体がそうさせている。
教科書に視線を落とす。
物語の挿し絵が目に入る。
一人の少年と一匹の子猫が仲良さそうに戯れる姿が描かれていた。
じーっとその絵を見つめる。
すると私の中に不思議な感情が芽生えた。

憎い。

この教科書に描かれている楽しそうに笑顔を見せる少年が憎らしかった。
彼の笑顔が私の今のボロボロになった胸に深く突き刺さる。
不思議と胸が苦しくなる。
気が付くと教科書には幾つものシミが出来ていた。
頬に手をやると何やら冷たい液体が。

私はいつの間にか涙を流していた。
他の人には知られたくないので涙を止めようと我慢をする。
だが止まるどころか次々に目から涙が溢れ出てくる。
先生の視線に気づく。
泣いていることを気づかれないように教科書で顔を覆い隠す。


349 名前:閉鎖まであと 1日と 19時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 01:12:09.54 ID:a4NLE1JnO
涙が出る理由がわからない。
ただ単に教科書の絵を見ていただけ。
ただそれだけの理由だった。
こんなことを考えている間も涙は溢れ出る。
私の手はたくさんの涙で濡れていた。
なぜ絵を見ていただけで涙が出るのだろう?
あの憎いと思った感情が気になった。

ふと誰かに名前を呼ばれた気がした。
声が聞こえた方向を振り向くと幼なじみのブーンが心配そうに私の顔を見つめていた。
私はブーンに名前を呼ばれたとき、なんとも言えない感覚に覆われた。
喜び、幸せ、よくはわからないけれどもどことなく嬉しかった。

涙の理由がわかった気がした。
私は寂しかったんだ。
家族に裏切られ、誰からも愛されなかった。
温もりが欲しかったんだ。
その証拠に涙は止まっている。
ブーンが声を掛けてくれたから。
私は目尻に溜まった涙を制服の袖で拭いブーンの方へと振り向く。
そして私は先生に、周りの人に聞こえないように、ブーンだけに聞こえるように「ありがとう」と笑顔で小さく囁いた。

家に帰ると母が机にうつ伏せていた。
よく見ると肩が小刻みに揺れている。
私はすぐに母が泣いているということに気づく。

母の肩に触れ軽く揺する。
ようやく私が帰ってきたことに気が付いたのか、慌てて椅子から立ち上がる。


351 名前:閉鎖まであと 1日と 19時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 01:13:32.30 ID:a4NLE1JnO
母の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
授業中、私の顔もこうなっていたと思うと恥ずかしい気持ちになる。

母はこちらへゆっくりと向かってきた。
そして「ツン…」と私の名前を言いながら手を背中へと回しぎゅっと抱き寄せた。

ごめんね。

朝はなんとも思わなかったこの言葉。
でも今はこの言葉が心に染みた。
私は母の体をぎゅっと抱きしめ返す。
言葉は交わさない。
今はもうお互いの心が通じあってるはずだから。

友の友情。
そして学校の教科書。
私は一日で二つの存在から大切な気持ちを教わった。
今日という日がなければ私は壊れたままの「ツン」という物でしかなかっただろう。
でも今は違う。
ちゃんと暖かな心を持っている。
私は…人間なんだ。
そう確信できる。


翌日、学校へ行ってみるとブーンが近寄ってくる。
独特な口調で私に話しかけてきた。
どうやら昨日からずっと心配をしてくれていたようだ。

353 名前:閉鎖まであと 1日と 19時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 01:14:25.29 ID:a4NLE1JnO
ブーン…ありがとう。

私は一人じゃないってことを教わった。
あなたがいたから今の自分がいる。

今はもう一人じゃない。
私の周りにはたくさんの親友がいる。
私のことを支えてくれる大切な存在がいる。
そのことをブーンの存在によって教えられた。



ありがとう。

354 名前:閉鎖まであと 1日と 19時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 01:14:52.76 ID:a4NLE1JnO
ξ゚听)ξツンが温もりを得たようです




おわり


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