合作案
ID:tWZsEr3SO氏作
32 名前:合作案[] 投稿日:2007/02/12(月) 01:20:33.65 ID:tWZsEr3SO
世界に降り立った「声」。
それは星の声。
皮膚を削がれ、呼吸を阻まれ、血を汚された星の声。
舞台は2ch。
「地球だけど助けて」
書き込みは僅か一桁。
「2get」
「ああ、ガムやるよ」
「ない」
「糸冬了」
「まずはうp」
たったそれだけでスレッドはdatの海へと落ちてしまった。
翌日、書き込みを行なった数人の子供達は奇妙な声を聞く。
「ハローハロー。聞こえますか?」
子供達はそれぞれ立ち上がる。
小さくて、それでも大きな声で。
「大丈夫。私はもう時期、死ぬ……それでも君達よりは生きられる。君は安心して生きると良い」
33 名前:合作案[] 投稿日:2007/02/12(月) 01:21:30.86 ID:tWZsEr3SO
「あんまりだお……」
「……俺には関係ねぇよ」
「僕には……何が出来るんだろう」
「私に出来る事なんて、高が知れてるわ」
「それでも、黙っている訳には行くまい」
「なーんか……難しいなー」
手はある。それは既に騒がれていて、誰もが薄々感じている。
「人間」の「人間」による「人間」の為の環境保護。
それは全て所詮は、人間本位でしかなかった。
今更、何が出来るんだろう。
「今に私は昏睡を始める……お別れだ」
消えた「星の声」。
僅か数日の対話で、少年達は何を思うのだろう。
34 名前:合作案[] 投稿日:2007/02/12(月) 01:22:30.64 ID:tWZsEr3SO
「嫌だお!! 死なないでお……!!」
「あぁ、胸糞悪ぃ……」
「僕は……無力だ」
「これで終わり……じゃないわよね?」
「これから……問題は“これから”だ」
「俺は相当に馬鹿だが、これだけは解るぜ?」
―――何か、何かしないと。
舞台は再び2ch。
彼等はお互いの顔も知らないまま集い、ひとつの「形」を作りだした。
「勝利」などあり得ない、無謀な戦い。
それでも彼等は、ひとつの「形」を残した。
( ^ω^)は世界の声を聞くようです
―――世界を無数の虹が覆った。
◆NIKKO.Rzcc氏作
123 名前:('A`) ◆NIKKO.Rzcc[] 投稿日:2007/02/13(火) 02:01:00 ID:I6q.MaRkO
( ^ω^)「……疲れたお」
深夜にまで及ぶ残業で疲れた体を、ゆっくりとソファーに沈める。
ふと時計を見ると時刻は午前一時。
もしかして僕は日本で一番多忙な高校生ではないだろうか。
一瞬そんな思考に捕われるも、世界は広い。そんな事もないだろう、と気を持ち直す。
( ^ω^)「VIPでも見て寝るかお」
僕がそんなにまで働くのには訳があった。
僕には父親が居ない。物心着いた頃には既にカーチャンと僕の二人だけだった。
このPCは最近友人に貰った物。
ろくに娯楽を知らなかった僕が「2ch」と言うネット掲示板にのめり込むのに時間は掛らなかった。
( ^ω^)「この糞スレが堪らないお」
真っ先に僕の目に止まったのは「地球だけど助けて」と言うスレ。
これは酷い。
恐らく全レス系のスレッドだろう。
( ^ω^)「……?」
スレッドの「1」には何も書かれて居ない。
スレ主は一体何がしたいんだ。
( ^ω^)「“ああ、ガムやるよ”と……」
それでも、殆ど脊椎反射で書き込みを行う。
( ^ω^)「寝るかお……」
自分が如何に不毛な時間を過ごしているかに気付き、急に不安になった。
( ^ω^)「はぁ……明日も学校だお」
適当にPCを落とし、布団に入る。
124 名前:('A`) ◆NIKKO.Rzcc[] 投稿日:2007/02/13(火) 02:13:12 ID:I6q.MaRkO
――ハローハロー。――
もう朝。
僕は本当に眠ったんだろうか。
薄く目を開けて窓の外を見る。
( ´ω`)「あれ? ハロー?」
外は真っ暗。
確かに起こされた気がしたが、気のせいだろうか。
――ハローハロー。――
(;゚ω゚)「ぴょッ!?」
確かに聞こえる。
カーチャンのそれとは明らかに違う声。
――聞こえますか?――
(;゚ω゚)「……おーまいごっど」
暗くて部屋の中の様子は曖昧だ。
それでも声の主を探すが、それらしき影は見当たらない。
――私はゴッドではありません。最も、神の存在すら怪しい物ですが……――
これは可笑しいだろう。常識的に考えて。
(;^ω^)「だ、誰だお!? どこに居るお!!」
――私に姿形はありません。誰か、と問われれば……そうですね――
―――地球。
姿の見えない声は、そう断言した。
地球、と言うのは今、僕らが住んでいるここの事だろう。
それは判るが―――
(;^ω^)「……地球って喋るのかお?」
―――それしか判らない。
125 名前:('A`) ◆NIKKO.Rzcc[] 投稿日:2007/02/13(火) 02:29:15 ID:I6q.MaRkO
何とか正気を保ちつつ、言葉を返す。
スキンシップの基本は会話だ、と何かで読んだ気がする。
――普通は喋りませんが……非常事態なのです――
(;^ω^)「……?」
そう言うと自称地球は語り始めた。
散々既出の「環境問題」について。
(;^ω^)「……これは大変だお」
――とは言っても、あなたの寿命よりずっと先の話です。聞き流して頂いても構いません。でも――
(;^ω^)「そんな……」
―――死にたくない。
地球は小さく震える声で確かに言った。
( ^ω^)「――あんまりだお」
今更、僕に何が出来る?
「環境問題」について等、とうに知っていて、それでも何もしなかった僕に。
あれこれ悩んでみて、気が付けば、朝だった。
鳥のさえずり、暖められた空気。
( ^ω^)「……これがなくなるのかお?」
実感は湧かないまでも、何となく憂鬱だ。
それでも僕はいつも通りの生活を続け、夜が来た。
PCを立ち上げると、より鮮明に昨日の事を思い出す。
( ^ω^)「あのスレが原因だとすると……他にも僕みたいな奴がいるのかお?」
―――あった。
それは「“地球”と話した奴、ちょっと来て下さい」と言うスレッド。
今にもdatの海へと飛込もうとしていた。
(;^ω^)「ちょっ……一大事だお」
スレを開くと「1」には「昨日、“地球だけど助けて”ってスレ開いて変な事、起きた奴いない?」と書かれていた。
( ^ω^)「うは、ドンピシャだお!!」
急ぐ気持を押さえ、取り敢えず「ノ」と書き込む。
まもなくスレ主から「居たのか。確認したかっただけ」とレスが着き、あっと言う間にスレは落ちてしまった。
(;^ω^)「……何がしたかったんだお?」
126 名前:('A`) ◆NIKKO.Rzcc[] 投稿日:2007/02/13(火) 02:35:41 ID:I6q.MaRkO
何もかもがあやふやなまま布団に潜る。
何やら話が大き過ぎた。
( ^ω^)「地球は死にたくないんだおね……」
誰だって同じだ。
そして、地球を殺すのは僕達人間。
( ^ω^)「地球の声が聞こえた、何て誰も信じないお……」
早くも手詰まりだ。
結局の所、僕だって地球殺しの犯人だ。
今や文明は高度に発展し、「木」や「空気」の有りがた味は薄れ、「金属」や「電気」が重要視されるようになった。
( ^ω^)「……どうしたら……」
悩めど結論は出ない。
僕は悶々とした気持ちのまま眠りに就いた。
127 名前:('A`) ◆NIKKO.Rzcc[] 投稿日:2007/02/13(火) 02:49:48 ID:I6q.MaRkO
( ´ω`)「朝かお……」
相変わらず、眠った心地がしない。
問題を解決しない限り、安眠は無理そうだ。
暗にそれを示す様に天気も良くない。
( ^ω^)「雨かお……」
何となく「空が泣いている」と言うフレーズが浮かぶ。厨臭い事、この上ない。
( ^ω^)「泣いてるのかお……」
あの夜以来、返事が返ってくる事はなかった。
もしかしたら夢かも知れない、と思ったが、わざわざ確認までして来た奴が居た事から、そうは思えない。
( ^ω^)「はぁ……」
問題は何も解決しない。
相変わらず地表はアスファルトで固められ、その上を鉄の塊が走り回る。
空はグレーに染められ、今も海面は上昇し続けているらしい。
( ^ω^)「……」
やはり今ひとつ実感が湧かない。
そもそも、地球が死ぬのも随分と先の事らしい。
だからと言って、見過ごして良い訳でもない。
あれこれ悩み、結局、学校は休んだ。
( ^ω^)「はぁ……」
今日で何度目の溜め息だろう。
また酸素を無駄にしてしまった。
( ^ω^)「……」
手持ちぶさになった僕は習慣的にPCを起動させた。
そこで閃く。
( ^ω^)「……VIPPER共に聞いてみるお」
安価があるじゃないか。
スレタイは「環境保護」。我ながら糞スレの臭いがプンプンする。
(;^ω^)「“地球の為に何が出来る?>>10”っと……」
予想に反して、10までは保ちそうだ。
128 名前:('A`) ◆NIKKO.Rzcc[] 投稿日:2007/02/13(火) 02:53:27 ID:I6q.MaRkO
(;^ω^)「十は……」
―――人類滅亡。
( ω )「……あるある」
一層重くなった気持ちをそのままに、ベッドに逃げ込む。
結局、僕には何も出来ない。
本当は何か出来る筈だ。それでもやらない自分は何だ。
自虐的な自問を繰り返すうち、僕は眠りに落ちた。
129 名前:('A`) ◆NIKKO.Rzcc[] 投稿日:2007/02/13(火) 03:13:53 ID:I6q.MaRkO
――ハローハロー。聞こえますか?――
例の声で目を覚ます。
時計は九時を示している。
( ´ω`)「何か用かお……」
どうせ僕は何もしない。責めるならそうすれば良い。
そんなニュアンスを込めて言葉を返す。
――あなたが気にする事ではありません……別れを告げに来ました――
穏やかな声で地球は告げる。
(;^ω^)「わかれ……?」
――私はこれより昏睡状態となります。それでも自転は続く……ご安心下さい――
突然告げられた別れ。
動揺を禁じ得ない。
(;^ω^)「ちょっ、ちょっと待つお!!」
そうだ。この声を世界中に届ければ良い。
そうしたら、人間は嫌でも現状を理解する。
そうしたら、地球を主人公にしたドラマ、映画、アニメ何かも作られて、キャラクター化されて……景気回復にも繋がる。
景気回復は地球に取っては良い迷惑かも知れない。
それでもきっと良い方向に向かうと思う。
( ;ω;)「だから……死なないでお……」
どんなに考えても答えは出ない。
どんなに話しても返事はない。
いつしか泣いていた僕の声だけが部屋に響く。
――ピコン♪――
( ;ω;)「……?」
何かの電子音に呼ばれ、振り向くとそこにはPC。
どうやら消すのを忘れていたようだ。
( ;ω;)「……!?」
ディスプレイに映し出されていたのは、僕が立てたスレッド。
( ;ω;)「800……?」
僕の立てた糞スレは予想を大きく上回り伸びて居た。
落ち付いて1から読み返すと、徐々に原因が読めて来た。
僕が眠った後、同じ経験をした人が集まり始めたようだ。
そして絵師、作者が集まり出して、今に至る、と言う訳だ。
(;^ω^)「次スレ……?」
考えられない位の勢いで伸びた挙句、まとめサイトまで出来ていた。
( ^ω^)「“( ^ω^)が星の声を聞くようです”……」
どうやら声を聞いた人がそれぞれの体験を綴っているらしい。
その中には「ゴミ集めてブーン作ってみた」、「テレビ局に凸した」なんて物まである。
( ^ω^)「僕は……何もしてないお……」
◆MeIn2M9iBk
165 名前:(・ω・)「ちょっと長くなりまーす」 ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:37:27 ID:3.gllMqAO
『ハローハロー。聞こえますか?』
( -ω-)「……な、何よ?」
普段は勝手に部屋まで押し掛けてくる、幼なじみの声で起こされるんよ。
しかし、今日は違ったんよ。可愛らs……鬱陶しいあの声とはまるで違う、
せせらぎのような静かな声が、俺を起こしたんよ。まだ日も出てなかったさ。
『こんにちは……いえ、ここではお早う御座います、ですね』
(;・ω・)「あ、あんた誰なんよ!」
焦ったさ。声は聞こえるのな、姿は見えんのよ。
しかもその声は頭ん中に響いて、人外の声だってすぐ分かったしよ。
『突然であることは詫びます。しかし、事は重大なのです』
( ・ω・)「まさか、お前さん……本物だったんか?」
『えぇ。覚えていらしたのですね』
事の起こりは、3日ほど前に遡るんよ……
166 名前:(・ω・) ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:38:00 ID:3.gllMqAO
――
――――
――――――――
( ・ω・)「折角の休みもこうつまらんスレばかりじゃもったいないんよ……」
その日は、幸か不幸か学校が創立記念で休みだったんよ。一日中暇なら、
一日中VIPに入り浸るのは確実ってもんよ。でも、3日前VIPは
異常なまでにつまらんかったんよ。そのせいか知らんけども、
普段だったら見向きもせんようなスレを開いちまったんさ……
( ・ω・)「何だ……? このスレ」
861.小学生「はいバリーwwwwww」(236) 862.地球ですが助けて(й) 863.勃起したら死ぬスレ(73)
今にも落ちかけのありふれたスレ。意識しなければ見逃すだろうよ。
でも不可解なレス数。それを見ちまって、つい心引かれちまったんよ……
( ・ω・)「……ちっ、期待外れなんよ」
あったのは、空白の>>1、2get、ガムの要求、受け渡し。
あぁ、「>>1氏ね」と書き込んでやったさ。それが仕事さね。
まぁ、それで失望してスレを閉じようとした時さ。
F5を押してもいないのに、スレッドが更新されたさ。
167 名前:(・ω・) ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:38:19 ID:3.gllMqAO
9:愛のVIP戦士 [sage]
>>2-8
ありがとうございます。
また直接連絡させて頂きます
(;・ω・)「な、一体何さね!?」
情けない話よ。思わず叫んじまったさ。
やり取りが成り立たないことも無論なんが、何より日時もIDも無いことに驚いたんよ。
その時だったんよ。いきなり部屋のドアが開いたんよ。
別に驚いちゃいないさね。何となく予想はついてたんよ。
从'ー'从「あれ? 何だ、松本起きてたか〜」
紹介するんよ。幼なじみの渡辺さんよ。頭も同じくらいで、ずっと腐れ縁なんね。
ムカつく言動もあるけんど、かわ……良い奴なんよ?
( ・ω・)「そりゃあ一日中寝て過ごすほどニートじゃ無いがな」
从'ー'从「ま、そーだね」
渡辺も同じで、VIPに入り浸ってるんよ。
思い切って、このスレのことを話してみる事にしたんよ……
168 名前:(・ω・) ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:38:59 ID:3.gllMqAO
从'ー'从「プッ」
……笑われたんよ。悔しいから何度でも説明してやんよ。
10:愛のVIP戦士 :2007/02/10(土) 11:22:33.44 [sage]
>>ボッコス松本
池沼乙
自分の世界に入って説明してるうちに、何か書き込まれたんよ。
(;・ω・)「間接的に言うなー! てか何実名晒してんの!?」
从'ー'从「平気平気♪ 誰も分からないって」
11:愛のVIP戦士 [sage]
>>10
協力ありがとうございます。
ですが渡辺さん、実名をVIPに晒すのはよろしくないと思われます。
从゚д゚从(゚д゚)
見られている。何か強大なモノに。
明らかに気配を感じるんよ……それからの3日の間によ……
169 名前:(・ω・) ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:39:37 ID:3.gllMqAO
――――――――
――――
――
( ・ω・)「成る程、地球さんよ。やっぱりあの気配はあんたのだったんかい」
『えぇ……心優しきVIPの皆さんなら、協力して頂けると……』
(;・ω・)「……あんた、だいぶ勘違いしてるさ? ……まぁ良いんよ。
具体的に何をすれば良いんさ?」
ちょっとだけ、間が空いたんよ。地球が躊躇ってるようにも思えたさ。
でも、まだ半信半疑だったんよ。だから、もう少し話を聞きたかったんよ。
『私の……地球の「核」を護ってほしいのです』
( ・ω・)「……核?」
聞きなれない言葉に、思わずおうむ返しに訊いたんよ。
『はい。私の引力、自転周期、公転周期などの、
宇宙での地球の動き方、存在の仕方に関する情報が詰まっているものです』
(;・ω・)「何か色々凄いもんなんさね……で、もしそれを守れなかったら?
一体あんたはどうなるんさね?」
ふわっ、とあったかい風が抜けたんよ。分かったさ。地球が笑ったと。
170 名前:(・ω・) ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:40:16 ID:3.gllMqAO
『私には何も害はありませんよ……』
(゚д゚)ハァ? と言ってやりたくなったんよ。と言うか、言っちまったんよ。
また地球が笑ったさ。
『ただし、傷ついた私の上であなた方が生きていられるかどうかですけど』
つーっ、と冷や汗が伝って、身震いしたんよ。
(;・ω・)「……どういう?」
『例えば、核を守れなかったとして。まず、引力が乱れます。
すると、重力……万有引力も乱れます。分かりますか?』
唾を飲み込んで、頷いたさ。
『重力は、生物の筋力に大きな影響を与えます。私の衛星、月に少しいるだけで、
地球では自分の体重で足を潰してしまうほど、筋肉は衰えます。
逆に月では、地球での全力の跳躍で、宇宙空間まで飛び出せます』
風が吹いたんよ。今度は冷たい、冷笑さね。
『立っているだけで足が潰れたかと思えば、地を蹴るだけで宇宙まで出てしまうかも知れませんね……』
おぞましい光景が想像されたさ。どうにか体重を支えようと地を踏みしめていたら、
突如として体が軽くなって、視線は最後に星々を捉えるのだろう。
171 名前:(・ω・) ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:41:30 ID:3.gllMqAO
(;・ω・)「人の住めない世界って訳なんさね……」
それにスターダストにぶつからずとも、息も出来ないし、何よりパンッさね……
『無論、これだけではありませんよ? ……まだ聞く勇気があればですが』
慌てて首を振ったさ。グロとスカトロは苦手なんよ……
それに、悪戯と疑う余地もなかった。
( ・ω・)「……ところで、結局何をすれば?」
『……話せば長くなります。朝は短いですから、もう……』
ちょっと待つんよ! そう言いかけたけど、気配は消えちまったんよ……
何だか部屋が明るくなったさ。やかましい鳥達が朝を告げてるさ。
( ・ω・)「……? 今日は渡辺遅いさね……寝坊さ?」
たまにはこっちから叩き起こしに行こうかと思ったんよ。
けど、何か気恥ずかしくなってその気にはならんかったんよ。
……『その気』ですか? これって実際に会って説明したほうが
172 名前:(・ω・) ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:42:01 ID:3.gllMqAO
从'ー'从「あれ? 松本がこの時間に起きてるなんて……」
(;・ω・)「ノォウッ!」
淡い恋物語を妄想してるうちに、渡辺が部屋に入って来たんよ。
今の叫びは決して驚いた訳じゃないんよ? ……何となく出してみただけなんよ?
……なんて言い訳をしてたんに、渡辺は考え込んでまるで聞いて無かったさ。
从'ー'从「ねぇ、やっぱり松本にも……来てた?」
( ・ω・)「……来てたさね。ただしあんたに誰が来てたかは知らんよ」
从'ー'从「地球」
渡辺は毅然と言ったんよ。あぁ、分かるさ。渡辺も地球と話して、
話した相手が地球だと確信してる。そして、その事に興奮してるさね。
聞いてもいないのに、知らんと言っただけなのに答えたのが、その証拠なんよ。
( ・ω・)「……とりあえず学校行くさ? 気づいてないかも知れんけど、
今日渡辺来るの遅かったさ、遅刻寸前なんよ?」
从'ー'从「何ッ!! 貴様、謀りおったな!」
(;・ω・)「謀ったのは地球なんよ?」
――
――――
――――――――
173 名前:(・ω・) ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:42:29 ID:3.gllMqAO
( ・ω・)「VIPVIP〜♪」
学校が終わると、すぐにPCのある視聴覚室へ向かうんよ。
『世間に錯綜、氾濫する情報を正確に掌握し、現代社会を安全に且つ
知性を兼備した人間として生き抜くための方法を研究する部』
通称、情報研究部という聞き慣れん部活こそ、俺の所属する部活なんよ。
……実質、PCいじってるだけなんよ。
( ・∀・)「おい松本。またVIPか?」
( ・ω・)「やっちゃ悪いさ? モララーも似たようなことやってるんよ」
悪友のモララーが、隣に座ったんよ。
(;・∀・)「お、俺は良いんだよ! 二次画像見てないと死んじまうんだから!」
( ・ω・)「はいはい過剰表現過剰表現」
呆れて、モララーに向けていた目をPCに向けたんよ。
VIPなら、見ないだって開けるんよ。ほら、この通r……
なにこの過疎
(;・ω・)「スレが……一つしかないさ!」
174 名前:(・ω・) ◆MeIn2M9iBk[] 投稿日:2007/02/14(水) 01:44:28 ID:3.gllMqAO
こんな事態は今までに無かった。知る限りでは、最少の時も30はあった。
それが、1。今までの最少の30分の1倍だ。
スクロール回数をミスしたかと考えたけど、ページの最上部には確かに
『ニュース速報VIP』の字があったんよ。
渡辺の下手くそなホルンが聞こえるさ。何故かやたらと虚しくさせるんよ……
(;・∀・)「おい、お前何言ってんだ?」
けど、その時歪んだモララーが予想外のことを言ったんよ。
( ・∀・)「いつも通り……約1000スレあるじゃねえか」
消えかかったモララーの手がマウスをいじり、スレ一覧をあちこちクリックしてるんよ。
それでも、まるで画面は変わらんかったさ。
そのうち、モララーは影になったんよ。マウスを握って、たった一つの
スレにカーソルを乗せたんよ。
『1.先日地球だけど助けてというスレを立てた者ですがレスした奴ちゅっと恋』
ここまで。長々とすまんかた
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