川 ゚ -゚)クーが死んだようです




128 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 23:30:10.57 ID:Fc/HgidRO

 馬鹿な奴だった。やたらと現実的で悲観的で。
 そんな奴を追おうとしてる俺は、奴以上に馬鹿な奴だろうか?

 死んで幸せ、生きてて地獄。あいつは……俺の前でそう言った。
 その時、俺は責めるような哀しい目をした。そのせいだったのだろうか?

 一年連れ添った彼女が死んだ。
 肉も骨も残さず、残せず。

 彼女は知っていた。その日、そこが爆破されることを。
 仕掛けられた大型の地雷。踏んだのは彼女。

 彼女は分厚い壁の電波障害の中から、俺に伝えた。

  『ありがとう』

 俺は、消えた彼女に同じ言葉を送ろうとしている。
 彼女の口癖が移ったのか、俺は人生を悲観した言葉を呟いた。

 嫉妬心か。俺は躊躇いなく世間から消えた彼女を羨ましくも思った。
 同時に、恨めしかった。俺のことなどどうでも良かったのか、と。

 俺はただ単に死にたかっただけだ。お前を追って死ぬ訳じゃない。
 お前が死んだから、俺も未練無く死ねて全く嬉しくて仕方ない。

 S・H・I・T。彼女との約束だが、守る気など毛頭無い。
 死はひとりで。生き続けろ、遺されても。
 彼女の声が、胸に響いた。俺の体は自然と潮風から離れていった。


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