1 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:06:22.78 ID:DuoPWeoZ0
まとめサイト様。
http://hebiya.blog40.fc2.com/
http://ksms.michikusa.jp/index.html
いつもありがとうございます。
DIONのことだからどうせアク禁のまま休みを終えると思っていましたがそうでもなかったです。
昨日(すでに一昨日ですが)投下できなかった分も一緒に投下します。
といっても大してストーリーは進まないのでご安心を。
以下、前半18レス、後半15レス。
合計33レスほど。
2 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:07:09.83 ID:DuoPWeoZ0
(´<_` )「ついに、ついに完成したぞ兄者!」
翌日。
四月の始まり。
昼過ぎ、弟者の叫び声がこだまする。
( ´_ゝ`)「!?」
(´<_` )「使われもしないかわいそうな和室を俺の手で改造してやった!」
じゃーんとばかりにご開帳。
そこには、天井からぶら下がるゾウやキリンを象ったモビールと、ただ放置されたとしか思えない毛布が一枚。
(´<_` )「ザ、ベビールーム!」
( ´_ゝ`)「……」
(´<_` )「どうだ兄者。岡本太郎もビックリなこのデザインは!」
(´,_ゝ`)「……プッ」
(´<_` )「!?」
( ´_ゝ`)「ばーぶっ」
(´<_` )「鼻で笑うかなあ」
第五話 はじまり
3 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:07:53.74 ID:DuoPWeoZ0
('、`*川「でも正直、あなた一人で育てるのはムリだと思うのよね」
(´<_` )「チャイムぐらい鳴らしてくださいアホサスさん」
押しかけてきたペニサス。
どうも、「今日は午前診療だけなんだよね」ということらしい。
上着代わりと思われる白衣をベビールーム(仮)に放った。
兄者はそこでお昼寝中。
(´<_` )「それで、どういう意味ですかアホサス」
('、`*川「ついに呼び捨てかい? まぁいいけど。
ほら、キミのお兄さんのことだよ」
中途半端に開かれたふすまの向こうを見やるペニサス。
('、`*川「キミには当然子育ての知識が無い。
でも私にはあるのさ」
(´<_` )「でもギコさんもあるみたいですけどね。知識が」
('、`*川「なんとな?」
(´<_` )「つまりあなたの手を借りなくても問題は」
('、`*川「なおよし! 明日から通ってやろう、病院を放棄することも辞さない構え」
(´<_` )「まじめくさった口調を混ぜなくても」
4 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:08:18.40 ID:QJNhmtAcO
wktk
5 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:08:19.62 ID:DuoPWeoZ0
('、`*川「大体ギコさんはいつもお疲れでしょ?
彼にさらなる労働を課すなんて真似、私にはできないね」
(´<_` )「俺にはできますから問題なし」
('、`*川「キミの嗜虐的な精神にはほとほと呆れるな!」
(´<_` )「あなたの利己的な精神には負けますよ」
('、`*川「あはははははははは」(´<_` )
空虚な笑い。
ペニサスのグーが弟者の顔面に伸びようとした瞬間、都合良く玄関のチャイムが鳴り響いた。
(´<_` )「誰か来たようですよ、本当はSのアホサス」
('、`*川「何いってんの? どっちかっていうと私は松本だよ?」
(´<_` )「Sですね」
('、`*川「Mだよね」
(´<_` )「S……はいはい、どちらさま」
ちょうど扉を開けたとき、アホサスの絶叫が轟く。
(*゚∀゚)「ちわー、三河屋でー」
('、`*川「エ・ム!!」
6 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:08:26.15 ID:aEkjMrYeO
始まったwktk!wwwwww
7 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:08:51.05 ID:DuoPWeoZ0
(*゚∀゚)「……」
('、`*川「あ」
(´<_` )「乙女なんて種族は昭和時代に滅びたようです」
(*゚∀゚)「ボケ……つぶされた」
(´<_` )「関西だなあ」
('、`*川「誰、この人」
アホサスが憮然とした表情で両手にビニール袋を提げた来客を指さす。
(*゚∀゚)「プリンセス天功もびっくりな妖艶オーラ、美少女つーとは私のことさ!」
('、`*川「叶姉妹よりは森三中にいそうなタイプ」
(*゚∀゚)「そーゆーアンタはこまどり姉妹かなっ?」
('、`*川「あはは、冗談の上手い人だ」
(*゚∀゚)「あははははははははは」('、`*川
そしてはじまるデスマッチ。
グーが飛ぶ。
パーが乾いた音を響かせる。
チョキが眼をつぶす。
(´<_` )「あほー、あほー。どっちもあほー」
8 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:09:27.63 ID:DuoPWeoZ0
(´<_` )「で、何の用です?」
(*゚∀゚)「よくぞきいてくれたっ。いやはや、キミがいることはお見通しだったよ!」
(´<_` )「そうだよ俺が犯人だよ!」
('、`*川「何の?」
(*゚∀゚)「今日はほら、国民的行事の日じゃん?
そーゆー日は、TWO-SEEをおやすみすることになってるんだよっ!?」
(´<_` )「国民的行事……今日が? 何かありましたっけ」
(*゚∀゚)「バレンタインデー!」
(´<_` )「……」
('、`*川「……嘘! チョコレート作ってないよ!?」
(*゚∀゚)「うっそー! 正解はエイプリルフールでしたー!
あっはははははは」
(´<_` )「……」
('、`*川「ウザいなー」
(´<_` )「中途半端なボケをしないでください」
(*゚∀゚)「にゃははのはっと」
9 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:09:55.89 ID:DuoPWeoZ0
(´<_` )「まああなたが店を休むのは勝手です。
しかしそれとここに来る理由がいまいち繋がりません」
(*゚∀゚)「国民的行事の日は、一家揃ってパーティーを開くことにしてるんだよっ!
我が家のしきたり、みたいな感じで」
(´<_` )「それで、ここに?」
(*゚∀゚)「おとーさんが言ってたさ」
(´<_` )「……」
ギリリ、と歯ぎしり。
企画人はギコで間違いないだろう。
(´<_` )「一家のことは一家で勝手にやればいいじゃないですか」
(*゚∀゚)「さーんえーるでぃーけーい!!
つまりそういうことさ」
(´<_` )「どういうことさ?」
('、`*川「なるほど……そういうことか」
(´<_` )「アホサスは黙りなさい」
(*゚∀゚)「そーだ、黙りなさい」
('、`*川「むー」
10 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:10:22.32 ID:DuoPWeoZ0
('、`*川「え、じゃあ……ちょっと待ってよ」
(*゚∀゚)「待たない」
('、`*川「あ、そう」
(´<_` )「その、両手に持っているビニール袋は何か関係します?」
(*゚∀゚)「食材。今日は鍋料理ですよー」
(´<_` )「また微妙な時期に微妙な食べ物を」
(*゚∀゚)「おいしいですよー。鳥鍋ですよー。
必要とあらば美少女のよだれも混入させますよー」
(´<_` )「青酸カリだけは勘弁してください」
('、`*川「おーい」
(*゚∀゚)「カセットコンロと酒はしぃとおとーさんが持ってくるよ」
(´<_` )「ああ、酒ですか。久しく飲んでません」
(*゚∀゚)「おやおや、十五の夜だねえ」
('、`*川「あのー」
11 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:10:47.34 ID:urH2k/N30
このペースは・・・支援
12 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:10:48.39 ID:DuoPWeoZ0
('、`*川「ちょっと聞いて良い?」
(*゚∀゚)「ダメ」
('、`*川「あなた、ギコさんの娘か何か?」
(*゚∀゚)「うん。長女、或いは次女」
(´<_` )「何その微妙な身分は」
(*゚∀゚)「一応双子なんだけどさー、どっちがさきに産まれたか教えてくれないんだよ」
(´<_` )「それはアンビリーバボー」
(*゚∀゚)「まあ忘れてるだけだろうけど」
('、`*川「んなことはどうでもいいよ!
……ふっふっふ。そうかそうか。ギコさんのねえ」
突然ベビールーム(仮)に入り、ふすまを固く閉じるアホサス。
(´<_` )「?」
13 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:11:30.25 ID:1uaXDYgiO
支援
14 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:12:12.06 ID:DuoPWeoZ0
(*゚∀゚)「……」
(´<_` )「……」
( ;_ゝ;)「ひぎゃあぁぁあぁぁあぁぁあぁあぁあ」
(*゚∀゚)「!」(´<_` )
……
(*゚∀゚)「……誰の声?」
(´<_` )「あ、知りませんでしたっけ。
実はかくかくしかじか」
(*゚∀゚)「へえ。結構一緒にパーティー開くからよく知ってるよ。
赤ちゃんになっちゃったかあ」
(´<_` )「そりゃあもう、可愛いですよ」
(*゚∀゚)「どれくらい?」
(´<_` )「デビュー当時のグレート義太夫が神木隆之介になったぐらい」
(*゚∀゚)「それはもう、人智を超えた変貌だね」
珍妙なやりとりをしていると、再びふすまが開いた。
そこに、いかにも理知的な女性を装ったアホサスが立っていた。
15 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:12:15.31 ID:QJNhmtAcO
支援
16 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:12:19.26 ID:aW4YH1zs0
wktk
17 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:12:46.78 ID:DuoPWeoZ0
('、`*川「コホン」
(´<_` )「さっきの、兄者の泣き声……というより悲鳴はなんだったんだ?」
('、`*川「つーさん」
(*゚∀゚)「へ?」
('、`*川「どうもこんにちは。ハーバード総合病院の院長、ペニサス・セガールです」
(*゚∀゚)「は、はい」
('、`*川「実は……大変申し上げにくいのですが」
(*゚∀゚)「ほう」
('、`*川「あなたのお父さんは、ガンです」
(*゚∀゚)「!」
(´<_` )「一般庶民の住宅で何がハーバードだ」
(*゚∀゚)「そ、それで……父の命は!?」
(´<_` )「なに、信じてる系?」
(*゚∀゚)「キミは黙ってて!」
つーはあまつさえ涙を目に溜めている。
アホだ。いや、バカだ。
18 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:13:13.62 ID:DuoPWeoZ0
('、`*川「脳みそガンがけっこう進行しています」
(´<_` )「せんせー、のーみそってガンになるんですかー?」
('、`*川「このままではお父さんの命は長くないでしょう」
(* ∀ )「そ、そんな……」
('、`*川「率直な話、この重病を治せるのは……日本広しといえど私だけでしょうな」
(´<_` )「ハーバードのくせに」
(* ∀ )「せ、先生! おとーさんを、おとーさんを助けてあげてください!」
('、`*川「うむ、それには必要な書類にサインしてもらわなければなりません」
そういって取り出したのは電気店のチラシ、の裏。
('、`*川「ここにお父さんの住所を書いてください」
ふてぶてしくそんなことを言う。
(* ∀ )「は、はい……」
19 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:13:36.75 ID:DuoPWeoZ0
(´<_` )「うわぁ、最低だ」
もはやあきれ果てている弟者にアホサスが耳打ちする。
('、`*川「エイプリルエイプリル」
(´<_` )「近づくなアホ菌がうつる。うつったら絶対自殺する」
('、`*川「小学生か」
フルフルと震える手でつーが住所を書き記す。
(* ∀ )「こ、これを」
('、`*川「よろしい。お父さんは、私が必ず治してさしあげよう」
(* ∀ )「せんせぇ……」
泣きつくつーをよしよししてやるアホサス。
そして、彼女には見えないように、弟者に向かってVサイン。
(´<_` )「みんなみんな、死ねば良いんだ」
20 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:14:09.05 ID:DuoPWeoZ0
騒動が終息すると同時に、玄関の扉が勢いよく開け放たれた。
( ,,゚Д゚)「ハッローゥ」
(*゚∀゚)「お、おとーさん!!」
( ,,゚Д゚)「え、何、何?」
いきなり抱きついてくるつーに戸惑いを隠せない、重病のギコ。
(* ∀ )「おとぉさぁん」
( ,,゚Д゚)「相変わらずわけのわかんない……あ、オトージャ、事情は聞いた?」
(´<_` )「ええ、はっきりと」
( ,,゚Д゚)「それならいいわ……あ、そっちの人は?」
('、`*川「ペニサスです」
(´<_` )「アホサスです」
( ,,゚Д゚)「アホサスね。アンタも一緒にどう?」
('、`*川「え、いいんですか?」
(* ∀ )「ぜひ、どうぞ!」
('、`*川「そこまで言うのなら……」
21 名前:愛のLIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:14:09.29 ID:+mSKZi7BP
なんだか懐かしいね
22 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:14:37.06 ID:DuoPWeoZ0
(´<_` )「よかったね、アホサス」
親子の会話に盛り上がっている片隅で、アホサスと弟者は密談中。
(´<_` )「相手も負けず劣らずのアホで」
('、`*川「この私にかかればちょろいもんよ」
(´<_` )「で、いつネタばらしするの?」
('、`*川「うーん……。
ま、頃合いを見計らって」
( ,,゚Д゚)「あ、そういえばアニージャは元気?」
(´<_` )「ああ、今向こうの部屋で寝てますよ」
( ,,゚Д゚)「顔見させてもらうわねえ」
らんららんとばかりにベビールーム(仮)へ向かうギコ。
そしてすぐに、満面の笑みを湛えて戻ってくる。
(´<_` )「どうでした?」
( ,,゚Д゚)「寝てたわ。なんか、悪夢に魘されてるみたい」
('、`*川「……」
23 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:15:00.30 ID:QJNhmtAcO
支援
24 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:15:01.03 ID:1uaXDYgiO
支援
25 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:15:15.57 ID:DuoPWeoZ0
( ,,゚Д゚)「さ、そろそろ鍋の準備を始めましょうか。
アホサス、手伝って」
言われて弟者は壁時計を見る。
午後六時。
まだしぃは来ない。
アホサスがいそいそと台所に向かう。
(´<_` )(さて、兄者のこと、か)
今はまだ大丈夫だ。何せ、春休みだから。
しかし、高校が始まればそうも言ってられない。
ギコは夜に仕事があるから昼間は寝てなければならない。
アホサスとて一応医者だ。
そうなった場合、誰が母親役を買って出るのか。
(´<_` )(目下のところ、一番の問題だな……)
和室に入り、時々顔を歪めながら眠り込んでいる兄者を見下ろす。
アホサスから受け取った服は、よだれでひどく汚れている。
(´<_` )「あ、そうだ。
兄者にも晩ご飯の準備をしないとな」
26 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:15:42.89 ID:DuoPWeoZ0
三十分ほどして。
( ,,゚Д゚)「なーべパーティー!」
(*゚∀゚)「でも、主食はビール!」
('、`*川「いえーい」
食卓の真ん中でクツクツと音を立てる鍋。
鶏肉やら菊菜やら白菜やら。
鍋料理のレギュラーメンバーといったところか。
弟者以外の人間の前にはビールジョッキ。
そして、テーブルの上や下には誰が飲むんだと言いたくなるほどのビール瓶が置かれている。
(*゚∀゚)「しぃが来ないね」
( ,,゚Д゚)「ま、そのうち来るでしょ」
ピンポーン
('、`*川「来ましたね」
( ,,゚Д゚)「チッ」
(´<_` )「え?」
27 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:16:09.51 ID:DuoPWeoZ0
(*゚ー゚)「おじゃましまーす……」
(*゚∀゚)「おぉ、しぃ!」
(*゚ー゚)「あ、つーだ……」
(*゚∀゚)「何、その嫌そうな顔は」
(*゚ー゚)「あんた、TWO-SEEて名前やめたんでしょうね?」
(*゚∀゚)「相変わらず細かいなあ。そのうち肖像権料? みたいなのは払うよ」
( ,,゚Д゚)「ケツの穴が小さいわね」
(*゚∀゚)「お詫びに……ホラ、蝋燭三本あげるから」
(*゚ー゚)「あ、ありがと」
(´<_` )「それ、何に使うんですか?」
(*゚ー゚)「え」
28 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:16:09.51 ID:urH2k/N30
支援
29 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:16:28.18 ID:DuoPWeoZ0
(´<_` )「何に使うんですか?」
(*゚ー゚)「いや、あの、ええと、その」
(´<_` )「な、に、に、つ、か、う、ん、で」
('、`*川「オトージャオトージャ」
(´<_` )「はい?」
('、`*川「すでに酔ってる?」
(*゚ー゚)「ふええ……」
しぃの涙と弟者のS成分と赤い蝋が入り交じり。
鍋パーティーの始まりが告げられた。
・・・
・・
・
第五話(前) おしまい
第五話(後) へ続く
30 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:16:53.46 ID:DuoPWeoZ0
箸が鶏肉をつつく音が、たちまちよくわからない笑い声に変わる。
それから、阿鼻叫喚の空間に至るまで、それほど時間はかからなかった。
(*゚ー゚)「おいおい、冗談じゃねーよ!」
(´<_` )「おう?」
(*゚ー゚)「だから最近の若者はダメだって言ってるんだ。
そもそも、奴らは口ばっかりで行動が伴っていない。
今だってそうだ。俺の鶏肉だってのに、このバカが先に食いやがった。
もう俺MK5? みたいな感じだよ。
要するにおっぱい」
(´<_` )「どうなったんでしょうか」
( ,,゚Д゚)「しぃは……酔うとイタコになるんだ」
(´<_` )「憑き上戸ですか」
( ,,゚Д゚)「がっはっは、おめぇ上手いこと言うなあ!」
(´<_` )「にしてもあのしゃべり方……どこかで……」
(*゚ー゚)「なーにジロ×2見てるんだYO!」
(´<_` )「あ……」
31 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:17:47.47 ID:QJNhmtAcO
支援
32 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:17:48.23 ID:DuoPWeoZ0
( ゚∀゚)「あーもう、これだから近頃の若者はだめなんだよな。
命を命と思ってねえんだ。
てめえのタレが腹痛めて産んだ子だろう?
つーか捨てるなら最初から産むなボケ。
つまりおっぱい」
( ゚∀゚)→( ∀ )→( )
(´<_` )「あの警備員、死んだのか」
四月一日午前八時二十二分。
長岡ジョルジュ スズメとバトルして敗北。死亡。
弟者は胸の中で、静かに黙祷を捧げた。
( ,,゚Д゚)「まぁそのうち元に戻るから気にするこたぁねえよ」
(´<_` )「はあ、そうですか」
(*゚∀゚)「おとじゃくん……」
(´<_` )「ん?」
33 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:18:17.24 ID:DuoPWeoZ0
(*゚∀゚)「おねがい……わたしをだいて……」
(´<_` )「……」
(*゚∀゚)「えっと、初めてだから……やさしく、してね?」
(´<_` )「これも憑いてるんですか?」
( ,,゚Д゚)「いや、違うな。
つーは酔うとアダルトゲームのヒロインみたくなる」
(´<_` )「対処法は?」
( ,,゚Д゚)「選択肢を間違わなければ最後まで持ち込めるかもしれねえな」
(´<_` )「……」
(*゚∀゚)「や、やっぱり、いきなりこんなこと言うなんて……わたし、エッチな子なのかな?」
(´<_` )「とりあえず死ね」
34 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:18:39.74 ID:DuoPWeoZ0
(´<_` )「で」
( ,,゚Д゚)「おう?」
(´<_` )「あなたは今、どんな感じですか?」
( ,,゚Д゚)「俺はいつもと変わらねえよ」
(´<_` )「異議あり! その証言はムジュンしています!」
( ,,゚Д゚)「な、なにぃ!?」
(´<_` )「まず一人称が違う。いつもは「私」なのに今は「俺」だ!
しかもなんかしゃべり方が男だ!」
( ,,゚Д゚)「ぐ、ぐぐぅ!」
(´<_` )「裁判長!」
(*゚∀゚)「ほえ?」
(´<_` )「とまあ、三文芝居はこのあたりでやめておいて」
(´<_` )「あなたは酔うとオカマじゃなく普通の男になるんですか?」
35 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:18:58.83 ID:DuoPWeoZ0
( ,,゚Д゚)「おいおい、冗談はよし子ちゃん、だぜ?」
(´<_` )「そのギャグをなぜ言う気になったのか」
( ,,゚Д゚)「言っただろう、俺の恋愛は男ありきだって……」
(´<_` )「し、しまった!」
( ,,゚Д゚)「いいのかい? ホイホイ人の素性を明かしちゃって。
俺は恋人の弟でも構わず食っちまうオトコなんだぜ?」
(´<_` )「つまりオカマがホモになるわけですか」
( ,,゚Д゚)「それよりこの」
(´<_` )「あれ、アホサスは?」
先ほどから姿が見えない。
弟者が立ち上がり、泥酔した一家を尻目にアホサス探しに出かける。
36 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:19:33.22 ID:DuoPWeoZ0
アホサスはベランダに立っていた。
それほど広くない、洗濯物だけで埋め尽くされそうな場所。
('、`*川「フッ……」
(´<_` )「酔うとハードボイルドになる系?」
('、`*川「違うわよ。私は強いから」
(´<_` )「ああ、そう」
('、`*川「なに、私を探しに来てくれたの?」
(´<_` )「自惚れるな」
('、`*川「ひどいな」
そのまま戻ろうとする弟者。
アホサスが慌てて呼び止めた。
('、`*川「ギコさんたちはまだ酔ってる?」
(´<_` )「そりゃあもう、すごく」
('、`*川「じゃあ酔いが覚めたら教えてね」
(´<_` )「いやだ」
('、`*川「えー」
37 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:19:56.02 ID:DuoPWeoZ0
ペニサスが頬を膨らませていると、室内から誰かの叫び声が聞こえてきた。
何事かと急いで戻る。
すると、しぃがありもしないマイクを握るようにして立っていた。
(*゚ー゚)「悪魔の森の奥深く……一見何の変哲もない古い屋敷……
だがその一室からは、毎夜、毎晩……
少女の悲鳴にも似た叫び声が聞こえる、とか?」
( ,,゚Д゚)「きゃぁぁぁぁぁ」
(*゚ー゚)「聞こえないとか……聞こえるとか?」
( ,,゚Д゚)「きゃぁぁぁぁぁ」
(´<_` )「少女だぞ」
('、`*川「まだ酔ってるわね」
(´<_` )「いや、ギコがホモからオカマに戻っただけまだマシ」
突如勃発したカラオケ。
或いは雄叫び大会。
それは室内を越えて三階全域に轟く。
38 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:19:57.57 ID:aEkjMrYeO
しぃwwwwww
39 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:20:01.22 ID:urH2k/N30
支援
40 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:20:28.59 ID:DuoPWeoZ0
ピンポーン。
時刻は午後九時。
皆が真剣に歌い始めたところで、チャイムの音が耳を刺す。
( ,,゚Д゚)「誰よこんな時間に……」
ぶつくさ言いながらギコが扉へ。
( ,,゚Д゚)「はい?」
('A`)「あの」
( ,,゚Д゚)「何よおぼっちゃん」
('A`)「同階の住人だが……うるせえ」
( ,,゚Д゚)「あらあら、まだ三階に誰か住んでたのね」
(´<_` )「それ、どういう意味ですか?」
( ,,゚Д゚)「なんか私がここに来るようになってから住人が次々と退去してるらしいの。
……プレイの音が大きすぎたかしら?」
(´<_` )「それで挨拶回りしても誰もいなかったのか」
('A`)「そうだったのかよ……」
(´<_` )(兄者……ヒモっていうか、結構本気だったんじゃないのか?)
41 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:20:54.28 ID:DuoPWeoZ0
('A`)「とにかくうるせーよ。
近所迷惑考えろ」
( ,,゚Д゚)「五月蠅いわね。文句があるなら出て行きなさい」
(´<_` )「なんという傲慢」
('A`)「そーいう問題じゃ」
( ,,゚Д゚)「ああそうだ、あんたも参加しなさいよ!」
('A`)「は?」
ギコの、意外と筋肉質な腕がニュッと伸びてドクオを捕らえる。
('A`)「いやいやいや、勘弁」
( ,,゚Д゚)「室内はハーレムよ? オトージャ以外は全員女だもの」
(´<_` )「兄者は?」
( ,,゚Д゚)「一名様ごあんなーい」
42 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:21:09.58 ID:1uaXDYgiO
支援
43 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:21:20.19 ID:DuoPWeoZ0
連れ込む→飲ませる→酔わせる。
このプロセスを経るのにそれほど時間はかからなかった。
('A`)「うへぇ」
(´<_` )「なんかまともな酔い方だ」
('、`*川「一番マシだからいいんじゃない?」
他の皆はすでに酔いが覚めている。
(*゚∀゚)「しぃ、私何か変なこと言わなかった?」
(*゚ー゚)「え? さ、さぁ」
('A`)「あー、ほうはひらひへほひへるへは」
( ,,゚Д゚)「よし、お姉さんが尋問しちゃう」
44 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:21:45.00 ID:DuoPWeoZ0
( ,,゚Д゚)「お名前は?」
('A`)「ドクオ」
(´<_` )「はっきり喋れるのか」
( ,,゚Д゚)「年齢は?」
('A`)「25」
( ,,゚Д゚)「職業は?」
('A`)「ニイイイイイイイイイイイイイイトオオオオオオオオオオオオオオオ」
('、`*川「なんでテンション上がったの?」
(´<_` )「知るか」
( ,,゚Д゚)「家族と一緒に住んでるの?」
('A`)「一人暮らし」
ギコの顔が曇る。
45 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:22:20.68 ID:DuoPWeoZ0
( ,,゚Д゚)「このマンション広いのに」
(´<_` )「ヒモと同じようなもんだ」
( ,,゚Д゚)「アニージャはいいのよ。所詮この世は顔だし」
(*゚∀゚)「顔出し? 顔射?」
( ,,゚Д゚)「なんで一人暮らししてるの?
もしかして金持ち?」
('A`)「親には都会の大学に行ってると申しております。
バカな親なのでだますのは簡単でしたはっはっは
今は仕送り生活真っ盛りはっはっは」
( ,,゚Д゚)「……」
(*゚∀゚)「おう、いっつくれいじー」
(´<_` )「俺には到底考えられない話だ。
母者をだます? ……死にたくない死にたくない」
46 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:22:49.09 ID:DuoPWeoZ0
( ,,゚Д゚)「仕送りは月いくら?」
('A`)「13万円。足りない部分はバイトで補う」
(*゚ー゚)「一人なら十三万で十分でしょ」
('A`)「……アスカ」
(*゚ー゚)「は?」
('A`)「アスカに貢がないといけない。
そのために金に糸目をつけられない」
(´<_` )「アスカって?」
(*゚∀゚)「エヴァだね」
( ,,゚Д゚)「またありがちな」
(*゚∀゚)「そのキャラで一人エッチしてる人なんて世に数多といるだろうにね」
('A`)「ああ、アスカが帰りを心配する」
47 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:23:17.13 ID:DuoPWeoZ0
フラフラと立ち上がるギコ。
そのまま玄関へ。
閉まる扉。
残された五人は唖然と。
('、`*川「なかなか強いね」
(*゚∀゚)「25って私と同い年じゃん」
( ,,゚Д゚)「……はぁ、すっかり酒がまずくなったわね」
連れてこなければ良かった。
ギコが吐き捨てる。
(*゚ー゚)「……どうする?」
(*゚∀゚)「飲む」
(*゚ー゚)「まだ飲むの?」
(*゚∀゚)「湿っぽいもん」
48 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:23:40.17 ID:DuoPWeoZ0
('、`*川「おっと、その前に!」
いきなりアホサスが大声をあげる。
( ,,゚Д゚)「どうしたのアホサス」
(´<_` )「ああアホサス、あなたはどうして阿呆なの?」
('、`*川「これから私がメインで進めさせてもらいます」
(*゚∀゚)「よっ、アホサス!」
(*゚ー゚)「アホサスって珍しい名前だね」
(´<_` )「ですよねー」
('、`*川「では」
こほん。
一度せきをして、アホサスは聴衆を眺望する。
大きく息を吸い込んで。
('、`*川「これから重ひょうひゃっ」
49 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:23:58.22 ID:DuoPWeoZ0
('、`*川「……」
(´<_` )「……噛んだな」
(*゚∀゚)「噛んだね」
(*゚ー゚)「どうする?」
( ,,゚Д゚)「とりあえず、飲みましょ」
(´<_` )「あーあ、余計に雰囲気が悪くなった」
('、`*川「……うえぇぇええん……」
・・・
・・
・
第五話 おしまい
50 名前:愛のVIP戦士[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:25:25.40 ID:1uaXDYgiO
支援
51 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:25:29.19 ID:QJNhmtAcO
乙!
52 名前: ◆xh7i0CWaMo [sage] 投稿日:2007/02/18(日) 00:25:38.17 ID:DuoPWeoZ0
以上第五話。
支援者及び読者の皆様ありがとうございました。
一応必要なプロセスです。
決して面白くもない挿話というわけではありません。
次回投下は明日。
というよりは今日ですね。
午後20〜23時に投下を始めます。
このスレは落としてやってください。
それでは。
53 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:25:38.60 ID:B72preEAO
支援
54 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:26:09.15 ID:urH2k/N30
乙
55 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:26:35.25 ID:B72preEAO
乙
56 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:27:07.35 ID:aEkjMrYeO
乙っした!次回もwktkしてるんだヨー
57 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:44:14.27 ID:Ynbab8FXO
ほ
58 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 00:58:14.99 ID:Ynbab8FXO
ほ
59 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 01:03:05.93 ID:b9whzehQ0
お・・・おもすれぇ・・・・・
60 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/18(日) 01:17:42.13 ID:cnlxLZKi0
この軽妙な空気と言うかクオリティと言うか、
まぁその辺のものを維持してくれ
面白いから期待してる。
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