424 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 14:50:09.63 ID:n00C3f4CO
>>406
お題「チョコ」


人生最悪の日がやってくる。




一年中生きてきた中で最も最悪の日がやってくる。




2月14日


そう、この日は、




( ;ω;)「バレンタインなんて、だいっ嫌いだお━━━━━━!!!!111」




モテない男にとって最悪の日。バレンタイン。

426 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 14:50:54.18 ID:n00C3f4CO
(´・ω・`)「朝っぱらからうるさいなぁ、ブーン」

僕の横を歩く親友━━ショボンが呆れたように言う。
バレンタイン当日の登校時の事だ。

( ;ω;)「うるさいお! 放っておいてくれお」
(´・ω・`)「チョコくらいいいじゃないか。もらえなくたって」

そんな、男にとっては信じられない言葉を漏らしつつも、大きなため息をつきながら僕の肩を叩いてくる。

( ;ω;)「ショボンにはこの気持ちがわからないんだお!!」
(´・ω・`)「別に理解しようともしてないし……、女の子からのチョコなんて期待もしてないしね」


427 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 14:52:03.17 ID:n00C3f4CO
( ゚ω゚)「そ、それはどういう意味だお……?」

急に背筋に寒気を覚え、ショボンの方を振り返る。

(´・ω・`)「ウホッ、やらないk」
( ゚ω゚)「だ、だが断わる!!」
(´・ω・`)「冗談だよ、冗談」

そうは言うものの、残念そうにため息をつくショボンの顔を僕は見逃さなかった。

(;^ω^)「そ、それより早く行くお! 遅刻するお!」

無理矢理話題を変えて、逃亡を図る。
冗談だとわかっていても、彼のそれは油断してはいけない。

(´・ω・`)「あぁ、そうだね。早く行って君の武勇伝でも見ようか」

428 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 14:53:25.44 ID:n00C3f4CO
( ;ω;)「それは遠回しに、僕のチョコの事を言ってるのかお……?」
(´・ω・`)「うん」

全く悪びれた様子もなく言う親友に殺意を覚えつつも、掘られる訳にはいかないので実行には移せず。

( ^ω^)(でも……今年こそはもらえるかも……)

そんな期待を持ちつつも、学校へと向かう。



429 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 14:54:34.42 ID:n00C3f4CO
朝、下駄箱にて……

( ^ω^)「下駄箱に入ってるなんてベタな事ww…………あるわけないお……」


同じく、教室……

( ^ω^)「机の中もベタ…………無いお」



体育後の休憩、教室……

( ^ω^)「照れちゃってみんながいない間に入れてたりwww…………………………」


放課後、下駄箱にて……

( ^ω^)「帰りの下駄箱もベタだおwww………………」
(´・ω・`)「無いよね」
( ^ω^)…………

( ;ω;)ブワッ



430 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 14:55:27.93 ID:n00C3f4CO
隣に立つショボンは紙袋を持っている。もちろん女の子から貰ったものだ。
何故ksmsのショボンが貰えて自分が貰え無いというのだ。

(´・ω・`)「ん〜、はっきり言っちゃうと顔じゃない?」
( ;ω;)「そんなはっきりと言うなお……」
(´・ω・`)「そんな落ち込むなってブーン。ほら帰ろう」
( ;ω;)「……お」

なんだかんだで僕を労ってくれるショボン。
チョコを貰えてるのは許せないが、こうして毎年慰めてくれるのはかけがえのない親友、ショボンなのだ。

432 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 14:56:31.19 ID:n00C3f4CO
( ^ω^)「ショボン……、ありがとうだお」
(´・ω・`)「ん? 急にどうしたの? ブーン」

僕の突然の言葉に、不思議そうに首を傾げるショボン。

( ^ω^)「ショボンが慰めてくれるから、こうやって毎年バレンタインを乗り切れてるお……」

僕がチョコを貰えずに泣いてるとき、隣にはいつもショボンがいた。
ショボンがいなかったら……、僕はもっと寂しいバレンタインを過ごしていたに違い無い。

( ^ω^)「感謝してるお……」
(´・ω・`)「……いいんだよ。ブーン」

433 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 14:57:43.27 ID:n00C3f4CO
不意にショボンが立ち止まる。

僕はその足音に気づき、後ろを振り返る。

(´・ω・`)「ブーン……」
( ^ω^)「ショボン……」

時が流れが遅くなる。

まるでこの世界に僕とショボンしかいない見たいに……


そしてショボンがゆっくりと口を開く。

(´・ω・`)「ウホッ、やらないk「内藤先輩!!」」

ショボンが最後まで言い終える前に、僕の後ろから声が届いた。

振り返ると、同じ学校の……、後輩であろう女の子が真っ赤な顔をして立っていた。



434 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 15:01:16.83 ID:n00C3f4CO
(; ^ω^)「よ、呼びましたかお?」
(*゚ー゚)「は、はい!」

その子は真っ赤な顔を更に真っ赤にして、その手に小さい箱を持ちこう言った。

(*゚ー゚)「こ、これ受けとって下さい!!」
(; ^ω^)「お? あ、ありがとうだお」
(*゚ー゚)「そ、それじゃ!」

その子がかけて行った後、その箱を見てみると裏に小さい手紙が付いていた。

( ^ω^)「電話番号と……アドレス……?」

そして、もう一つ。

( ^ω^)「好きです。付き合って下さい……」

435 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/13(火) 15:02:06.00 ID:n00C3f4CO
信じられなかった。

僕があんな可愛い子に告白され、チョコまで貰ってる。

まさかと思い、頬をつねってみるがもちろん痛い。

(* ^ω^)「イ、イ、いやっっほぉおぉうぅ!!!111」

そんな、人生最悪の日から一転、人生最高の日になったブーンの叫びは天まで響いた。



一方

(´・ω・`)「…………ショボーン」



ブーンがこの後、掘られそうになった事は言うまでもない。



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