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838 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/05(月) 23:02:01.97 ID:6p0IvpaTO
( ^ω^)「このまえ不思議な事があったんだお」

会社の休憩室には丁度良く暖房が効いていた。
ブーンはテーブルの上の缶コーヒーに目を落としたまま、ポツリ、ポツリと、ドクオに語り出した。

( ^ω^)「一昨日の営業の時だったお」
('A`)「D地区担当だっけか」
( ^ω^)「そうだお。その日も営業に周って、予定の最後の家に行ったお―――

―――薄暗い、曇りの、気持ち悪い日だった。
昼過ぎだというのに暖かさの欠片もない。
ブーンは懐炉を忘れた事を後悔しながら、かじかむ手に白い息をはきかけた。
雪でも降りそうな空だった。

( ^ω^)=3「フゥ、ここが最後かお」

住所を確認すると、地図をカバンに突っ込んだ。
いつも通り営業に周り最後の家。
普通の一軒家だったが、曇り空の中、人の気配がせず薄気味悪かった。

( ^ω^)「留守かお? ………お?」

ポストに堪った新聞紙を見やり、インターホンの前で迷っていたブーンだったが、
窓の前を人影が通った気がした。
レースのカーテン越しでは性別すら分からないが、いる事が分かれば良い。
ブーンは喜び勇んでインターホンを押した。

840 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/05(月) 23:04:24.55 ID:6p0IvpaTO
家の中でチャイムが鳴った後、インターホンに出る音がした。
と、直ぐさまブーンの売り込みが始まる。

(*^ω^)「どーもー、電動コケシの実演販売でお馴染みのブーンですおー」

巧みな話術で引き付けた後、全身全霊で突き放す。
ブーンの得意とするツンデレ商法に、たちまち主婦が食い付く、はずなのだが、
今回は何故か、スピーカーからは何も聞こえて来ない。
不思議に思いながら、今度は耳を澄ませる。
どうやら喋っていたらしいが、スピーカーかが古いせいか、ボソボソとした音ばかりで聞き取れない。

『……う……いこ………いっ……に……』
( ^ω^)「お? 一緒にいきたいのですかお、お客様? それなら玄関ででも是非試してみるべきですお!」

ぶつん、と音がした。どうやら出て来るらしい。
ブーンは滑る様に玄関の前に立つと、腰を低くし、コケシの振動を弱めた。
程なくして、人の近付く気配がした。が、どこかオカシイ。
引戸の玄関は擦りガラスで出来ていて、向う側が多少は分かる。
しかし、向かいに立っているはずの人の顔が分からない。
男とも女ともつかない顔などではなく、全身が黒い。
影が、人の変わりに立っている様であった。

841 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/05(月) 23:05:45.22 ID:6p0IvpaTO
顔のある辺りも黒い。全身黒ずくめとも違った。

(;^ω^)「か、顔が濃いってレベルじゃねーお」

更にオカシイかった事は、この人影が扉の前に立ったまま動かないのだ。
鍵を開ける素振りも無ければ、ブーンを追い返す事もしない。
立ったまま、何かをブツブツと呟いている。
背中にぞわぞわとした、這いずる様な感覚に、寒気がした。
この頃には、流石のブーンも、売る気が失せている。

(;^ω^)「き、今日の所は見逃してやるお……」

そう捨て台詞を吐き、踵を返し、踏み出そうとした。
その瞬間、世界から音が消えた。遠くで走る車の音。
電車の音。鳥の鳴き声。樹々の擦れる音。
全てが無音の中、背中からの声だけが鮮明だった。

『イコウ…イコウ…一緒にイコウ…』

地の底から響く様な、低い無機質な声。
それが、扉を通り抜け、首筋に吐息がかかるぐらいの位置に気配を感じ、聞こえる。

気付けば、ブーンは走り出していた。
道など分からなかったが、がむしゃらに、とにかくこの家から一歩でも離れたかった。

843 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/05(月) 23:06:53.63 ID:6p0IvpaTO
( ^ω^)「で、今に至るお」
('A`)「幽霊的な?」
( ^ω^)「多分そうだお……昨日は余りの怖さに丸一日、コケシが止まらなかったお……」
('A`)「D地区の何処よ、そこ」
( ^ω^)「……聞いてどうするお?」
('A`)「行 か な い か」
( ^ω^)「mjd!?」
('A`)「解決編とイコージャマイカ!!」
( ^ω^)「どうするお!? どうすんのお、僕!?」


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