133 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:51:04.62 ID:IV5IpsqW0
出来た。
どんな批評でも構いません。お願いいたします。

2XXX年。

人類は宇宙への進出を果たし、銀河系という枠を超えて、その行動範囲を大きく広げた。

数年後。

地球発、ラウンジ星行きの大型旅客宇宙船「VIPPERS」は、順調に航路を運行中だった。

「皆様、この度は地球発、ラウンジ星行き大型旅客宇宙船「VIPPERS」をご利用いただき、誠に有難う御座います・・・・・・」
「予定運行時間は25時間。予定到着時刻は明日の午後2時となっております・・・・・・」
「到着までの時間、どうぞ、ごゆるりとお楽しみください・・・・・・」

( ^ω^)「ふう、長旅の始まりだお・・・・・・」

このVIPPERSに乗り込んだ乗客の一人、内藤ホライズン、通称ブーンは、発車時に指定されたシートに座って背伸びしながら、自らの傍らにいる女性に話しかけた。

ξ゚听)ξ「そうね・・・・・・でも、せっかくなんだから楽しみましょうよ」

金髪巻き髪の女性・・・・・・ツンデレ、通称ツンは、背伸びをし終わってシートにもたれ掛かったブーンに笑顔で返した。

( ^ω^)「そうだおね・・・・・・遊ぶ分には退屈しなくて済みそうだお」


134 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:51:33.44 ID:IV5IpsqW0
巨大旅客兼輸送宇宙船として造船されたこの船は、二階建ての構造で、超大型デパートを横倒しにしたほど大きさだ。
施設は1階に高級マンション並の客室と荷物保管用の倉庫。
2階にはショッピングモール、やボーリング場、テニスコート温水プールなどの娯楽関係とブリッジなどの管制施設。

輸送船も兼ねている為、その規模の割りに乗客は船員を含めて60人と少ないが、この時代にあってもレベルの高い船であることは明白だった。


( ^ω^)「にしても・・・・・・本当にツイているお」

ξ゚听)ξ「感謝しなさいよ、アタシがくじ引きで特賞を当てなかったら、こんな豪華な旅は出来なかったんだから」

( ^ω^)「ツンは昔から強運だお。うらやましいお」

そう。彼らはそんなランクの高い船に悠々と乗れるほどの上流階級ではなく、ごく一般の(ブーンは一般企業のサラリーマンで、ツンは編集記者)人間だ。

では何故こんな船に搭乗出来たのかと言えば、会話の内容どおりツンが福引で「二名様10泊11日の豪華客船でめぐる優雅な宇宙旅行」を引き当て、彼氏であるブーンを誘ったのだった。



135 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:52:04.63 ID:IV5IpsqW0
( ^ω^)「取りあえずどこに行くかお?」

ブーンは船内が詳しく描かれているマップを広げ、ツンに渡す。

ξ゚ー゚)ξ「そうねぇ・・・・・・やっぱりまずはお買い物でしょ」

しばし顎に指先を当てた後、ツンはショッピングモールを指差した。

( ^ω^)「把握。早速行くお!」


「各部異常なし。オートパイロットに切り替えました。順調に運航中です」

「了解した、そのまま管制を続けてくれ」

「了解。」

VIPPERSブリッジ。

大気圏を抜け一安心したVIPPERS船長は、その威厳ある椅子に腰を下ろした。


136 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:52:42.82 ID:IV5IpsqW0
客室。

(´・ω・`)「・・・・・・退屈だ」

ややしょぼくれ顔の男が、ソファに寝っ転がって、全く持って退屈そうな顔でため息をついた。

川 ゚ -゚)「ショボン博士は娯楽に興味はないので?」

その男をショボン博士と呼んだ女性が、彼に紅茶を差し出しながら尋ねる。

ありがとう、と言ってそれを受け取り、一口飲んでからショボンは答えた。

(´・ω・`)「僕はあんまりはしゃぐのは好きじゃないんだよね・・・・・・」

掘るのは大好きなんだけど、と小声で付け加えたが、女性の耳には届かない。

(´・ω・`)「どーしょーもないからゴロゴロしてるよ」
川 ゚ -゚)「では、私も同席いたします」
(´・ω・`)「いや、助手だからってそこまでして貰わなくてもいいよ、クー君も自由に過ごしたまえ」
川 ゚ -゚)「・・・・・・そうですか。では、失礼致します。」

助手の女性・・・・・・クーは部屋を出て行き、ショボンはもう一度大きく息を吐いた。


137 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:53:21.32 ID:IV5IpsqW0
ξ*゚听)ξ「ああ!楽しかった!」

ショッピングモールから浮き足で出てきたツンの後ろから、よろよろと危なっかしい足取りで、ブーンが付いて来る。

(;^ω^)「ツ、ツン・・・・・・前が見えないお・・・・・・」

それもそうだろう。ブーン両肘にツンが買った衣類やアクセサリーの入った袋を3袋ずつぶら下げて、さらには自分の顔よりも高く積みあがった箱を、重たそうに抱えていた。
それでも必死にすれ違う人を避け、ツンに付いていく。

ξ゚听)ξ「頑張って。客室まで運んだら、一緒にプールにでも行きましょ」

瞬間。ブーンはとんでもないスピードで走り出した。

(*^ω^)「プールktkrェェェェェェェェェェェ!!!!!!!1111」

ξ゚听)ξ「ちょwww現金すぎるわよ・・・・・・全く」

あっという間に見えなくなったブーンを、ツンはすこし笑いながら追いかけていった。


138 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:54:06.17 ID:IV5IpsqW0
( ゚∀゚)「ッラァ!」
('A`)「オラァ!」

テニスコート。

二人の男が、ハイレベルな戦いを繰り広げていた。

( ゚∀゚)「はいだらっ!」

右側の男から強烈なクロスが左側のコートへと飛ぶ。

('A`)「甘いわッ!」

左側の男はいとも簡単に打ち返し、前に出る。

( ゚∀゚)「ドリャッ!」

右側の男はそれを確認してロブショット。
左側の男の頭上を空しく越えて・・・・・・

('A`)「もぉらったぁ!」

行かなかった。

高く飛び上がった左側の男が渾身の力で上から振りかぶったラケットはボールを強打し、右側のコートに突き刺さるように飛んでいく。
右側の男は精一杯手を伸ばすものの、ボールには届かない。

跳ねたボールは転々として、やがて止まった。



139 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:54:17.18 ID:IV5IpsqW0
(*'A`)「よっしゃ!ゲームセットォ!」

左側の男がガッツポーズを取る。

(#゚∀゚)「あああ畜生!!!」

右側の男性は悔しそうにラケットを振った。

('A`)「まだまだ甘いな、ジョルシュ君」

(#゚∀゚)「うるせー!・・・・・これでドクオとは2勝4敗かぁ・・・・・・」

男は依然悔しそうにラケットを振る。

('A`)「さぁて、いい汗かいたし、プールで良い女見つけますか!」

( ゚∀゚)「いいねぇ!おっぱいも選り取りみどりだろうなァ・・・・・・」

二人はそれぞれの妄想を胸にプールの準備へと急いだ。


140 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:55:03.62 ID:IV5IpsqW0
(*^ω^)「ムフフ・・・・・・」

男子更衣室前。
鼻の下を限界まで伸ばして不気味に笑うブーンが居た。
すでに戦闘態勢は整っている。息子がテントを張りたがるのを我慢させる。

「お待たせー」

(*^ω^)「全然待ってないお・・・・・・って」( ゚ω゚)「ブッハァ!」

ブーンがツンの声を聞いて振り向いた瞬間、彼の鼻から鮮血が迸った。

ξ;゚听)ξ「キャッ!ちょ、ちょっとブーン!大丈夫!?」

それもその筈。
麗しき彼女はビキニなどというたった二枚の布だけを見にまとい、その肢体をあらわにしていたのだから。



141 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:55:27.19 ID:IV5IpsqW0
(;^ω^)「だっ、大丈夫だお!」

ブーンはすぐさま鼻を拭き、立ち上がる。

これくらいでノックアウトされてどうする内藤ホライゾン!
先にはまだまだ凶悪なアングルが僕を待ち構えているんだ!

自分に言い聞かせて平常心を保とうと試みる。

(*^ω^)「あんまりに似合いすぎるからつい・・・・・・・」
ξ///)ξ「バ、馬鹿言ってないでさっさと行くわよッ!」
(*^ω^)「はいはーい」

内藤ホライゾン。人生最高の瞬間が訪れていた。


142 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:56:04.42 ID:IV5IpsqW0
(´・ω・`)「あー・・・・・・暇だなぁ・・・・・・」

依然ショボンはソファに寝っ転がっていた。

(´・ω・`)「プールになら好みの子も居るかもしれないけど・・・・・・」

寝返りを打って、独り言を続ける。

(´・ω・`)「でもなぁ・・・・・・「アレ」のために出来るだけ我慢しておきたいよなぁ・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・・・・寝よ」

数分後。静かな寝息が部屋に響き始めた。


143 名前:閉鎖まであと 2日と 3時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 17:57:37.77 ID:IV5IpsqW0
('A`)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・」

プールサイドの柵にもたれ掛かり、プールで楽しそうに泳ぐカップル達を見る二人の男。

( ゚∀゚)「・・・・・・23戦・・・・・・」
('A`)「・・・・・・23敗・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・そんなにダメ男に見えるのか俺達・・・・・・」
('A`)「お前が乳しか見てなかったからだろ・・・・・・」
( ゚∀゚)「おっぱいが最優先事項だろ・・・・・・・」
('A`)「だからって良い乳見かけた瞬間に駆け寄って行って「良いおっぱいですね!!」はねーよ・・・・・・・周りの人ドン引きだったろ・・・・・・」
( ゚∀゚)「仕方ねーだろ?反射的にやっちまうんだよ・・・・・・」
('A`)「結果、残りの22戦は近寄らせてすら貰えず不戦敗・・・・・・ウツダ・・・・・・」
(;゚∀゚)「・・・・・・ゴメン。一度でいいから触りたかったんだ・・・・・・あのおっぱい」
('A`)「・・・・・・あの人ニューハーフだって気付いてなかったろ」
(;゚∀゚)「mjd!?」
('A`)「mjd」

('A`)「・・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・・」

('A`)「部屋に帰ろうか・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・そうだね・・・・・・」


146 名前:閉鎖まであと 2日と 2時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 18:00:46.83 ID:IV5IpsqW0
ブーンは舞い上がる自らの血の量を見て、死を覚悟した。

( ゚ω゚)「やっぱり僕には・・・・・・ツンのビキニ姿はインパクトが強すぎたんだお・・・・・・」

でも、やっぱり最高だった・・・・・・

これ以上ないほどの満足な笑みを浮かべて、ブーンは水しぶきとともにプールに突っ伏した。

( ゚ω゚)「・・・・・・・はっ!」

目を覚ましたブーンは

ξ゚听)ξ「やっと起きたわね」

目の前に上着を羽織っているツンの顔を見た。

(;^ω^)「・・・・・・ゴメンだお」

そのままの体勢で謝る。が、同時にあることに気付く。

ん?待てよ?このアングルで僕がツンを見ているということは・・・・・・
途端に後頭部が接している「何か」の柔らかさが伝わってきた。


147 名前:閉鎖まであと 2日と 2時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 18:01:46.24 ID:IV5IpsqW0
膝              枕

その二文字が頭に浮かんだ瞬間、ブーンは飛び起きた。

ξ;゚听)ξ「きゃっ!」

いきなり頭を上げてきたブーンに、ツンは咄嗟に覗き込むような状況だった上半身をのけぞらせて、肘を付く。

ξ;゚听)ξ「な、何よいきなり・・・・・・」

(;^ω^)「ツ、ツ、ツン・・・・・・・い、い、今・・・・・・ひ、ひ、膝・・・・・」

動揺してしまって言葉が出ない。
だってそうだろう膝枕なんて男の夢じゃないかツンの膝に僕の頭が乗っているなんてそんな夢みたいなことあるはずがいやあの感触は夢じゃない本物だ
ああなんでもっと寝て置かなかったんだあの感触をもう一度今からでも遅くはないだろうかでも改めて膝枕してもらうなんてそんな大それたこと・・・・・・

ξ゚听)ξ「・・・・・・何よ。やっちゃ悪かったの?」

顔を赤らめて少し下を向いたツンの仕草は凶悪なほどに可愛すぎて、思考が一時中断されたが、なんとか鼻血は出なかった。

(;^ω^)「いあ、と、とんでもございましぇん」

代わりに呂律が回らなくなった。

ξ゚ー゚)ξ「・・・・・・プッ、アハハ・・・・・」

148 名前:閉鎖まであと 2日と 2時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 18:02:37.53 ID:IV5IpsqW0
目が覚めた。

( ω )「・・・・・・掘りたい掘りたい掘りたい掘りたい掘りたい」

・・・・・・一回くらいなら良いよね・・・・・・

ショボンは部屋を出て行った。




(;‐ω‐)「ゴメンだお・・・・・・せっかくツンが水着姿を披露してくれたのに・・・・・・」
ξ゚ー゚)ξ「もういいわよ。モノスッゴク喜んでくれたってのは分かったから」

結局、あの後ブーン達はプールから引き上げ、一階の客室へと歩いていた。

ξ゚听)ξ「・・・・・・あ」

唐突にツンが立ち止まる。

( ^ω^)「?どうしたんだお」
ξ゚听)ξ「忘れ物しちゃった。先帰ってて」
( ^ω^)「それなら僕が取りに行ってあげるお」
ξ゚ー゚)ξ「ううん、いいわ」
( ^ω^)「そうかお・・・・・・じゃぁ、先に行っているお」
ξ゚ー゚)ξ「うん、すぐ戻るから」

そういって二人は別れた。


149 名前:閉鎖まであと 2日と 2時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 18:03:20.36 ID:IV5IpsqW0
それから数分後のブリッジ。

「船長!緊急事態です!」
「どうした!」
「隕石が高速で接近中!しかも・・・・・・このままでは直撃コースです!」
「何!?緊急回避だ!!」
「ダメです!隕石自体が大きすぎて・・・・・・衝突まで15秒!」
「舵を切り続けろ! 全員、対ショック体勢を取れ!」




ξ゚听)ξ「あったあった」

女子更衣室。
ツンは自分の使っていたロッカーを覗き込んで、探し物を見つけた。

ハートマークのネックレス。
プールへ行くときに外しておいて、そのまま置いて言ってしまったのだった。

ξ///)ξ「本当、自分でもつくづく呆れるくらいゾッコンよね・・・・・・」

ブーンからのプレゼント。
ブーンが付き合い始めてから一ヶ月の記念にくれたものだ。
ブーンは安物だけど、と申し訳なさそうだったが、ツンにとってそれは何よりも大切なものだった。
ただ、つけているのをブーンに見られるのが恥ずかしくて、いつもは服の裏に隠すようにつけている。
プールへ行くときに外したのもそんな理由だった。

ξ゚听)ξ「さて、帰るとしますか・・・・・・」


151 名前:閉鎖まであと 2日と 2時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 18:04:32.81 ID:IV5IpsqW0
衝撃はいきなりだった。
ズズッ、と何かを引っかくような音がして、船体が大きく揺れる。

(;^ω^)「ウワッ!」

ブーンは斜めに傾いた船体にバランスを崩して、壁にもたれ掛かった。

ξ><)ξ「キャッ!」

ツンはその場にへたり込んだ。

(;'A`)「オワァ!」
(;゚∀゚)「な、何だぁ!?」

ドクオとジョルシュはそれぞれ部屋の中の掴める物に&#25681;まった。

(´・ω・`)「おや?」

ショボンは全く動じることなく、プールへと続く道のど真ん中に立ち続けた。

川;゚ -゚)「ッ!?」

クーは素早く身を屈めて衝撃に備えた。トイレのお手洗い場で。




152 名前:閉鎖まであと 2日と 2時間[] 投稿日:2007/01/21(日) 18:04:55.58 ID:IV5IpsqW0
そして・・・・・・衝撃は過ぎ去り・・・・・・

「・・・・・・ウホッ」

過酷な戦いのコングが鳴った。




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