451 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:19:38.68 ID:S+zMh9aK0
ミステリー
それは謎と置き換えてもいいほど知られた単語だ
それを追求することを活動目的に上げている僕らは、今日も今日とて学校の怪談を確認しに来ている
と言ってもそれほどのことがあるわけでもない。僕たちミステリー研究部の四人は飽き飽きしていた
从 ゚∀从「ようし、これから調理室に居座る毛刈りの悪魔を確認しに行くぞ」
( ^ω^)「……それ怪談ですかお?」
从 ゚∀从「わからん。それを確かめるためにも突撃するんだ」
(*゚ー゚)「これからはちゃんと確認してください」
('A`)「前文に同意する」
で、次は調理室、なんだけど……
( ^ω^)「なんで扉が開いてるんだお?」
('A`)「シラネ、てかマンドクセ」
从 ゚∀从「ま、覗いて見ればわかることだ。そ〜っとな? そ〜っと」
(*゚ー゚)「悪魔ってどんな外見してるんだろ? ドキドキする」
452 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:20:04.94 ID:S+zMh9aK0
みんな好きなことを言いながら二手に別れ、調理室の開きっぱなしの扉を顔の半分で覗き込む
扉がすでに開いていた理由? それはあの人せいだろう
調理室は文字通り調理をする場所
床、天井、壁、調理台を含めてほとんどが白いという白尽くしの部屋
そこに咲くようにピンク色はいた
从 ゚∀从「あれは……家庭科担当の房津先生じゃないか」
( ^ω^)「今更だけどいい匂いが漂って来ますお」
('A`)「つまりあの先生が悪魔でFA?」
(*゚ー゚)「そうじゃないかな?」
体の半身も見せずにのぞいていれば、津先生は楽しげに鼻歌を歌いながら調理器具を動かしている
焼け焦げる肉のにおいが鼻腔をくすぐって堪らないな……
房津先生はベージュの色をした上下のふく……ブラウスとスカートと言うのかな?
その服から、薄ピンク色のエプロンを着ている
こちらには気づいていないみたいだ
453 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:20:44.02 ID:S+zMh9aK0
*゚ー゚)「どうしますか? 突撃するのも一つの手ですけど」
从 ゚∀从「まずはもう一度俺たちの任務を確認しよう。俺たちは悪魔を探しに来た。そしてあの先生が悪魔の可能性が高い」
( ^ω^)「どうしてですかお?」
从 ゚∀从「とりあえず疑っとくのが正解だろ? 家庭科担当で、この時節に家庭科室にいる。さらにあの先生の趣味は……毛を刈ることだ」
(*゚ー゚)「噂は聞いたことはありますよ〜。長髪の人は先生がみんな短くしているとか、なんとか……」
('A`)「俺も聞いたことあるな〜。ついでに津先生は結婚して一児の母らしい。基本スペックは年齢26歳。身長157cm、体重42kg。スリーサイズは目算から……」
('A`)「76、63、72……」
('A`)( ^ω^)「ちいさ」
スカカーン
僕とドクオが言いかけたところ、ドアが揺れる
気づかれたっぽい
津先生のほうを見ると、そこには何かを投げた後のポーズをとっている津先生が……
いや、そんなことよりもその表情のほうがまずい
なんとも形容しがたい怒りを表した顔がこっちを、こっちを向いている!
おそるおそる、扉の向こう、反対側を見る。
そこには見事な柳葉包丁が二本、突き刺さっていて……
木の扉を隔てた反対側に突き刺さっている包丁の位置はまさしく、さっきまで僕たちの顔があった位置
454 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:22:47.80 ID:S+zMh9aK0
(♯゚∀゚)「聞コエテンダヨ。モウ少シボリュームヲ調節シロ」
ほ、本気で殺す気だったのか……?
从 ゚∀从「あんだけ普通の声で喋ってれば気づかれるだろ。先生〜、俺にも味見させてください」
(*゚∀゚)「オウ! チョット待ッテロヨ。ハンバーグガ焼ケルカラ」
(*゚ー゚)「私もお供します〜」
( ^ω^)「しぃちゃんが行くなら僕も行くお」
('A´)「なら俺だって!」
(♯゚∀゚)「オ前ラハダメダ」
おいおい、いつの間に引き寄せたんだよ? あの包丁
右手でフライパンを操りながら振りかぶっている房津先生は包丁を持っていた
ついさっきまで扉に突き刺さっていた包丁は今は……あれ? 刺さったままだ
(*゚∀゚)「チョウドイイカ、コノ菊二文字(きくつーもんじ)ノ切レ味ハお前タチデ試ストシヨウ」
( :A:)「すいませんでしたー!」(;ω;)
その場で僕たちはジャンピング土下座をする。しないと首から上が寒くなるのが確実だから!
455 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:23:54.63 ID:S+zMh9aK0
(*゚∀゚)「……顔を上げロ。ハンバーグは無いけどナ」
( :A:)「つーせんせぇ!」(;ω;)
助かった。本当に助かった。あんな壁に刺さるほど鋭い切れ味を身で知ることになってた……
頭を上げればもうすでに食器にハンバーグが盛られていた
先輩としぃちゃんはすでにイスに座ってハンバーグをぱくついている
(*゚∀゚)「お前らはこれを分け合って食エ」
カチャリと差しだされた善意を受け取るべく僕は加速をつける
何せ隣に同じように同じ獲物を狙っているやつがいる
彼に半分づつ分け合うという感覚は無いのだろうか?
ない
('A`)「いっただきぃ!」
( ^ω^)「もらったお!」
ミ,,゚Д゚彡「GET!」
もう少しで手が届きそうだったのに、横合いから伸びた手に掠め取られてしまった
456 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:24:21.14 ID:S+zMh9aK0
ミ,,^Д彡「つーちゃんが焼いたハンバーグはうまいね〜」
ああっ!? 一口で全部食べやがった!? てかこの人だれ?
(*゚∀゚)「おい、どうしてお前がここにいるんだヨ。仕事はどうしタ?」
ミ,,^Д彡「つーちゃんとフーちゃんに会いたくなったから早退してきちゃった」
房津先生はこの人を知っているみたいだ。もしかしてこの人は……
(*゚ー゚)「あの〜? どちらさまですか?」
m9ミ,,゚Д゚彡「房津一家の大黒柱、房津フサだから!」
会社員……なのかな? 普段着っぽいけど
フッサフサな髪を後ろになでつけたこの人はたぶんつー先生の伴侶なんだろう
457 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:27:14.01 ID:S+zMh9aK0
(*゚ー゚)「つまり、つー先生の夫さんですか」
ミ,,゚Д゚彡「そのとおりだから!」
(♯゚∀゚)「ソノトオリ! ジャネェダロ!」
さ、さっき僕たちの小さい発言のときより怒っている。正直怖い
つー先生は二本の包丁をかまえて怒りのオーラを発している
その証拠に喋ってる言葉が全部片言になり、ドスの効いた声になっていた
ミ;゚Д゚彡「もしかして……つーちゃん怒ってる?」
(♯゚∀゚)「ワカッテルナラニゲマドエヨ。今日ハ普通ニ毛ヲ刈ッテモ気ガオサマンネェゾ?」
从 ゚∀从「つ、ついに噂の悪魔を見られるのか!?」
( ^ω^)「先輩たちどうしてこっちに来たんですかお?」
(*゚ー゚)「避難して来たに決まってるでしょ? つー先生の周りにいると背筋が寒いもん」
从;゚∀从「どうして一教師があんなさっき出せるんだよ……」
('A`)「そ、そんなにすごいんですか? あの人の領域……」
明らかに見える怒りのオーラを揺らめかせながら迫るつー先生
その小さな体は怒っていることがわかる。そしてその怒りを表してなお、同時に泰然と巨木のような雰囲気をもっている
人の持つ雰囲気が刃に変わるところがすごい。切れるってのはまさにあれ
その雰囲気に耐えられなくなったのか、フサさんは苦しく一言、泣く様に言った
458 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:27:47.14 ID:S+zMh9aK0
ミ;゚Д゚彡「お、俺もやられてばっかりじゃないから!」
両手を前に出して交差させ、さらに握って前に出した。よくある格闘家のポーズ
ミ,,゚Д゚彡「強大なる物に打ち勝つ力を! フサ毛の力、フサルラートォ!」
微妙に内股でかっこつけられても困る
ミ,,゚Д゚彡「説明しよう! フサルハートとはフサ毛一族に代々伝わるフサ毛神拳の奥義なのだ!」
('A`)「いや、説明しよう! ってあーた……」
さらに眼を輝かせた先輩が割って入ろうとしていた。絶対に面白がってる。絶対。
从 ゚∀从「え〜、ただいまよりこのバトルは真剣バトルと認定されました! つきましては両者の合意のもとにバトルが開始されます」
どこからそんな長いセリフが出てくるんだろう?
从 ゚∀从「なお、勝った場合は敗者に言うことを何でも聞かせることができます! それでは合意と見てよろしいですね!?」
(*゚∀゚)「オウ……」
ミ,,゚Д゚彡「今日こそ勝ってやるから!」
从 ゚∀从「それでは! AAファイト、レディーゴー!」
カーン
しぃちゃんが持っていたお玉と中華なべをゴングがわりの金音を打ち鳴らす。いつの間に出したのよ?
安易ながらも舞台は整い、激戦の幕は開かれた
459 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:30:57.13 ID:S+zMh9aK0
ミ;゚Д゚彡「先手必勝! 雷ッ!!!」
一秒で周りがパチパチしだしたあと、すぐに電撃がつー先生を襲う
从 ゚∀从「あ、あれどうやってんだ!?」
( ^ω^)「フサ毛神拳……聞いたことがあるお。その拳法は体内の電気を増幅させて操る脅威の拳法と……」
从 ゚∀从「対極にあたる拳法があっても不思議じゃねーな」
(;゚ー゚)「コメントしづらいです」
('A`)「大丈夫しぃちゃん。俺もわけわかんないから」
すでにつー先生は横ステップで回避して準備動作を開始していた
その準備動作とは、あれだ
さっき片方の腕でやっていたが、なぜか袖のうちから包丁が出てくるのだ
その数、計四本
指と指で挟み込まれた四本の包丁は爪となる
( ;:;∀::;)「チノハテマデオイツヅケテヤル」
突きつけられた腕、帯電した物体に向け宣告される“死”の予感
本当に怖い
460 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:31:12.21 ID:S+zMh9aK0
ミ;゚Д゚彡「くそっ、次こそ当てる! 長いフサ毛にはこういう使い方もあるんだーッ!」
渾身の脚力で一気に距離を詰めに行ったフサさんだが……
从 ゚∀从「おおっとここでカウンターッ!」
先生は疾風のように腕を薙ぐ
薙いだ後の空間にはさらりと落ちる一房の毛
(;゚Д゚彡「……ごめん、つーちゃん。俺が悪かったから、許して……」
( ;:;∀::;)「キコエネェナ……」
先生が言うと、その場で膨らんでいた殺気は嘘のように無くなった
……いや違ったみたい。殺気は一点、右腕が纏っている
(*゚∀゚)「初手より奥義つかまつる……疾ィッ!」
('A`)「うほっ、こりゃすごい……」
一陣の風が去った後、そこには半裸の成人男性が立っていた……
461 名前:( ^ω^)は学校にいるようです[] 投稿日:2007/01/31(水) 01:32:04.94 ID:S+zMh9aK0
(*゚Д゚*彡「イヤン」
(*゚ー゚)「なかなかどうしてお約束ですね」
( ^ω^)「ちょwwしぃちゃん見ちゃダメだお!」
从 ゚∀从「さすが悪魔……いやはや良い物を見せてもらった」
('A`)「それはどっちのことで? で、でもそんなことどっちでもいいか! みんな今のうちに次に行こう!」
( ^ω^)「ドクオ? どうしてそんなに急いでるんだお?」
('A`)「お前はスプラッタなグロ画像を見たいのか? あれ」
握りこぶしに立てた親指、それが指すものはさらなる修羅場
毛がなくなった夫さんに対する更なる……SMプレイ?
从 ゚∀从「時間がおしてるし次いくか〜」
(*゚ー゚)「お邪魔しました〜」
( ^ω^)「頑張ってクダシア!」
('A`)「さいなら〜」
(;゚Д゚彡「あ〜ッ! 待って! 待って欲しいから! たすけ」
(*゚∀゚)「お前は目の前集中したほうがいいと思うゾ?」
(;゚Д゚彡「い、いっあー! くぁwせdrftgyふじこl」
反対方向から響く声の残響を聞きながら、僕たちは次の目的地に向かった
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