286 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/30(火) 17:37:44.38 ID:OpkSfnsI0
一歩、また一歩と僕は地上に近づいていく。
長く流れるように続いている螺旋階段、僕はただそれを降り続けていた。
今日で、彼女がいなくなってからちょうど7年目。
しかしながら、僕の記憶から彼女が消える事はなかった。

( ω)「……ツン……」

僕がこの軍隊に入隊したての時、一番僕を心配してくれたのは彼女だった。
どこに行くにしても、「絶対に、帰ってきてよね」

戦争中死にそうになった時に、処分を覚悟してその場から逃げ出した。
彼女の一言を、守るため。
……本当は、その一言を言い訳にしていたのかもしれないが。

「大佐、戦争の準備ができたようです」

降り続けていた螺旋階段。その上から声が聞こえた。
もう一度、僕は上に行かなければいけないらしい。

この大佐という地位についてからようやく1年がたった。
あの戦で死んでしまったツン、その仇を討つために、僕はこの道を選んだ。
狂ってもいい、壊れてもいい、もっと、もっと上に。

たとえ今戦争が終わっても、彼女は帰ってこない。
ならば僕が進むことに意味はあるのか。
……もう、止まらないんだ。

( ω)「今度で、戦争も、僕も、最期にするお」



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