33 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:32:24.98 ID:ZqcdNGWuO
投下いくねー

学校の賑やかな昼時、学生達は皆、談笑をしながら弁当を食べる、普通の学校の風景、
だが教室のすみで、黙々と弁当を食べる姿があった、ここまではどこにでもある学校の風景


( ´ω`)…………


その一人でご飯を食べる彼に近付く影を彼は見て、一瞬体を『ビクッ』と震わせるが、すぐに俯き、表情を隠す


(,,゚Д゚)「おい」

( ´ω`)「なんですかお?」

(,,゚Д゚)「その弁当臭いから捨てろ」

(;´ω`)「それはちょっと…」

(,,゚Д゚)「なら俺が捨ててやる」

そう呟くと同時に男は弁当を持って、ごみ箱に向かい、ほうり込んだ


( ω )「あっ」

(,,゚Д゚)「よくあんな臭いもの食えるな、お前も臭いからか」

教室の皆が嘲笑う、助ける者等いない、気の毒と思う者もいない、
彼は俯き、ひたすら昼休みが終わるのをまった


34 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:33:10.17 ID:ZqcdNGWuO
そしてようやく昼休みが終わり、午後の授業が始まる、しかし授業中もゴミ等を投げられ続ける


<ヽ`∀´>「体10点、手が二十点、頭五十点ニダ」

从゚∀从「そりゃいいなぁ!オイ」

( ・∀・)「俺1番な、ツーは?」

(*゚∀゚)「ならうち二番、二田わ??」

<ヽ`∀´>「三番ニダ、高岡は?」

从゚∀从「なら俺四番、疑古は?」

(,,゚Д゚)「聞かなくても、ドンケツしかねーよ」

全員宣言すると、ノートを破り、丸めて、背を丸める少年に投げる、教師は見て見ぬ振りをし、授業を進める


( ´ω`)(なんで小学校から九年間もいじめられなきゃだめなんだお…?)


そんな自問自答を繰り返すうちに、悪夢のような時間も終わり、やっと下校時間、
少年は真っ直ぐ帰ろうとしたが、先程の生徒に、呼び止められた




37 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:35:08.88 ID:ZqcdNGWuO
(,,゚Д゚)「おい内藤」

(;´ω`)「な、なんですかお?」

(,,゚Д゚)「裏の川原にこいよ」

( ´ω`)「わかりましたお…」

そして川原にまで律儀に行く、行くのは行かないと後が怖いからにほかならない、
川原につくと、先程の五人はもう居た、今からされる事に彼は大体予想がついていたであろう




38 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:35:42.32 ID:ZqcdNGWuO
(,,゚Д゚)「第一回内藤フルボッコ大会〜!!」

<ヽ`∀´>「イエーイ!!」

从゚∀从「きたー!!」

( ・∀・)「イエーイ!パフパフ!!」

(*゚∀゚)「汚いからうちは遠慮するよ」

そう短い会話を終えると、彼は殴られ、蹴られ、服は汚れ、次第に痛みに耐え切れなくなり、
背中を丸め、腕で顔を覆い、必死に痛みに耐えた、半時間程たち、
不意に痛みが止んだかと思うと、五人はすでに話をしながら歩き出していた




39 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:36:45.93 ID:ZqcdNGWuO
痛む体を引きずり、家に向かう、家に着くと挨拶もせず、部屋に向かう、その途中、母親と男の笑い声が聞こえる

「子供が帰ってくるわよw」

「別にいいだろ、飯さえ作れば文句言わないよ」

「それもそうねw」



内藤の家には父親がおらず、母親は男をしょっちゅう変えている、家庭崩壊と言うやつだ
母親とは二年は話していない、母親も話したくもないだろうと思うからだ




41 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:37:26.55 ID:ZqcdNGWuO
部屋に付き、テレビを付け、ベッドに倒れ込む、

テレビからは毎日お決まりの「汚職」「虐待」もうテンプレでも読んでるかの如く、
同じニュース、しかし突然放送された、臨時ニュースで彼は跳び起きた、ニュース自体はいつものような殺人事件、
たが彼は加害者の動機に、凄く引き付けられた


『いじめっ子を見返したかった』


彼はこの加害者の動機を聞いて驚いた、自分とそう歳も変わらない少年、
その少年が包丁で刺し殺した、普通ならこの少年を異常だと思うだろう、
しかし彼には似た境遇の少年が反抗して、いじめっ子を殺害した、その勇気に尊敬の念さえ抱いていた




44 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:41:15.29 ID:ZqcdNGWuO
( ^ω^)「……」


無言でテレビを見つめる彼の口は口の端をいやらしく吊り上げ、そして勢いよく立ち上がると
外はそろそろ夜が空を支配し始める時、彼は準備をして外に向かう、挨拶はしないし、母親の声も気にならない



今彼は一軒の家の前に来ている、表札には『疑古』
彼は懐からマッチとペットボトルを取り出し、ペットボトルの中身を音を立てないように玄関にまく
石油の臭いが鼻を刺激し彼は一瞬、後を向き、考え込むそぶりを見せるが、
大きく呼吸してマッチを暫く離れてから、石油に投げ込む、後から赤々と火が上がっていた、
その炎を一度見て、彼は自宅に走って向かっていった


45 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:43:07.50 ID:ZqcdNGWuO
( ^ω^)「………」

昨日は興奮で中々寝付けず、重いマブタをこじ開けて学校へ行くと、皆が騒がしい、
当然疑古の事だろう…担任の話によると全治二週間の怪我と、腕を少し火傷しただけのようだ

僕は気に食わなかった、しかしなにげない顔で授業を受けて、
それに今日はいじめられなかった、皆それどころではないだろう、

気分はよかった、もし僕がやったって知ったら、さぞびっくりするだろう、しかし最後の仕上げはまだ残ってる

今日は最後の仕上げだ…
これはかならず成功さしたい、疑古の事はもはやどうでもいい


48 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:47:25.42 ID:ZqcdNGWuO
学校が早めに終わり。
家路に着く、家に着くと僕は部屋に入り、ベットに倒れ込む。
枕に頭を預けて、目をつぶって考える、昨日で弱い自分とはさよならだ。
今思えばいじめられた記憶しかない、考えていると、段々引っ張られるような感覚がする。
目が醒めて、行動を開始すれば全てが終わりだ、そう思って僕は眠りについた


目が覚めると、時計は深夜2時を指していた。僕は寒くないようにダウンを羽織って準備を始める、
普段通りに準備してる自分が可笑しく感じ、一人静かに笑った。
そしてもう一度部屋を見渡し、決意をして、こっそり家から出ると感慨深く道を歩く。
いい思い出などないが、しみじみするものだ




58 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:51:37.55 ID:ZqcdNGWuO
学校に付いた僕は適当に手頃な石を見つける、少し重いが力を込めて、ガラスに向かって投げる。
『ガシャーン!』
とガラスの割れた音が響く、人が来ないうちに急いで職員室に向かう。


職員室につき、扉開ける。

職員室を選んだ理由は見てみぬ振りを続けて来た先生達が憎いからだ、
僕はプリントを部屋の真ん中に集めると石油をプリントにかけ、マッチをプリントに投げ込む。
勢いよく火の手が上がる、僕は急いでその場を離れ
教室に向かう、悲しい思い出しかない教室も、なぜか今は清々しい気分にさしてくれる


60 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/26(金) 21:53:14.77 ID:ZqcdNGWuO
僕はさっきのように紙を集めて慣れた手つきで火を放ち、目をつむると熱い、
なんか喉が痛い、僕は目を開け、最後の仕上げに入る
黒板に『死ね』と書き、自分の席に付き、目をつむり、叫ぶ

「自分は道具じゃない」
と…しかしその声は虚しく、響き、残ったのは静寂と肉の焼ける臭いだけだった

おわり


  ←戻る ↑home