( ^ω^)ブーンが苦悩の日々を送るようです

376 名前:閉鎖まであと 1日と 18時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 02:22:21.61 ID:o8AFtnX1O
――国立VIP大学合格発表――

( ^ω^)「4989……4989……」

4983……4986……4988……49………90……

――それが苦悩の始まりだった――

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( ^ω^)ブーンが苦悩の日々を送るようです

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( ´ω`)「……」

オワタ予備校の入校式――整然とした机に腰掛ける人々は青色吐息を漏らし、ブーンもまたその集団の一人であった。

「諸君らのこれからの努力を……」

校長の挨拶などつゆほども耳には入らない。

( ´ω`)「……こんなはずないお」

現実逃避に身を委ねている内に、入校式は終わっていた。

377 名前:閉鎖まであと 1日と 18時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 02:22:50.05 ID:o8AFtnX1O
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( ^ω^)『僕はVIP大学に行くんだお!』
('A`)『すげえなぁ……。俺なんて駅弁大学が第1志望なんだぜ』
( ^ω^)『ドクオもVIPにするお!一緒に頑張ろうお!』
('A`)『いいよ、俺は』

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379 名前:閉鎖まであと 1日と 18時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 02:23:25.12 ID:o8AFtnX1O
( うω^)「うーん……」

嫌な夢を見た、とブーンは嫌悪感に陥った。
あの時の、身のほど知らずも甚だしい自分に諌言を呈したい気分にすらなったが、最早過ぎ去った時は戻らぬ故、考えを止めた。

( ^ω^)「予備校……行くお」

重い気分のまま布団から抜け出し、のそのそと着替えて家を出た。
親とは何も会話をしなかった。

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授業開始から暫くすると、生徒たちは徒党を組むようになっていた。
新しい環境にも慣れ始め、人間関係を構成する余裕が出たからなのだろうが、ブーンはその輪に入ろうとはしなかった。

( ^ω^)「(……どうして……僕はこんな所にいるんだろう)」

自然と表情には暗雲立ち込め、物々しい雰囲気がブーンの周りを支配した。
そのためか、ブーンを輪の一部にしようという風潮も一切起きなかった。

380 名前:閉鎖まであと 1日と 18時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 02:24:15.86 ID:o8AFtnX1O
( ^ω^)「ハム、ハフハフ……」

昼食をコンビニで調達し、ブーンは談話室の隅で一人黙々と胃に流し込んだ。
入校して以来、食事を楽しいと感じることは皆無であった。
その時――

川 ゚ -゚)「おーい、ええと……」
(;^ω^)「な、なんですかお?」

――予期せぬ声。思わずブーンはたじろいだ。
声が重低もしくは、しわがれたものであれば、それほど面食らうこともなかっただろうが、実際はそれは麗美かつ軽高であったのだ。

川 ゚ -゚)「あっちで、皆と一緒に食べたらどうだ?」

皆無かと思われた風潮の発生である。

( ^ω^)「いえ……。いいですお」

しかし、ブーンに雑談を楽しもうという気は毛ほどもなかった。

川 ゚ -゚)「そんなこと言わずに。淋しいだろう?」
(#^ω^)「ほ、ほっといて下さいお!!」

周囲の視線が一点に注がれた。そうなってから、ようやくブーンは大声を出してしまったことに気付いた。

381 名前:閉鎖まであと 1日と 18時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 02:25:26.84 ID:o8AFtnX1O
( ^ω^)「と、ともかく……せっかくだけど、いいお……」

その場を取り繕って談話室を出た。見知らぬ女性はなぜか淋しげな表情をしていたような気がした。

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川 ゚ -゚)「やぁ、また一人か?」
( ^ω^)「……何か用ですかお?」

冷たく突き放すように言い捨てた。と同時に、何故この人は自分に固執するのかという疑問も湧いた。

川 ゚ -゚)「用が無くちゃ話しかけちゃいけないのか?」

女性は少し怒っているようだった。とはいえ、その怒りには慈愛じみたニュアンスが含まれていた。

( ^ω^)「そんなことはないけど……」

言い返すことも出来ず、ブーンは口ごもった。女性はにやりと口角を歪めると、

川 ゚ ー゚)「じゃあ、構わないんだな?」

ブーンと向かい合うように腰を下ろした。

暫く沈黙が続いた。何時にも増して食事が不味いと言わんばかりに、ブーンはぼそぼそと昼食を口に運んだ。

382 名前:閉鎖まであと 1日と 18時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 02:27:38.82 ID:o8AFtnX1O
「内藤だったか?」

沈黙が破られた。

(;^ω^)「そ、そうですお……」

名前を教えた覚えは無かった。

「もっと元気よく生活しなきゃ駄目だぞ」
( ^ω^)「関係ないですお。予備校に元気もクソもないですお」
「そんなことはない。ウジウジしても楽しくないだろう?」
(#^ω^)「あ、あなたに言われる筋合いなんて無いお!」

不愉快に感じたのか、乱暴にプラスチックの容器をビニール袋に押し込めて部屋を後にした。
昨日に引き続いての激昂――同居する疑念は晴れなかった。

383 名前:閉鎖まであと 1日と 18時間[] 投稿日:2007/01/22(月) 02:27:59.97 ID:o8AFtnX1O
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受付に補充プリントを貰いに行った時だった。

「やぁ、また会ったな」

何の因果か、鉢合わせたことにブーンは苛立った。
再び不要なおせっかいをされるのだろうと思い、そのまま去ってしまおうとも思ったが――

「明後日の休みに、何処か行かないか?」

――不意の提案。苛立ちは何処かに消えてしまった。そして次に現れたのは――

(*^ω^)「(ひょっとしてフラグ?)」

――浅ましい妄執であった。

――つづくかも?



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