恋は盲目
52 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/29(月) 19:21:12.39 ID:u7006o94O
そぉい!
・恋は盲目
彼を虜にしてやろうと思った。わたしが彼の虜なように。
けれど、時すでに遅し。彼はもう、他の子に夢中だったのだ。
さらさらとした髪で笑う、とても綺麗な子で。
わたしは、勝ち目がない。と思った。
だからわたしは、奇跡を探したのだ。
そして見つけた。
同じ教室の片隅に、魔法の使い手を。
休日には、趣味で所謂黒魔術の類に
手を出しているという男の子を。
58 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/29(月) 19:23:48.86 ID:u7006o94O
(*゚ー゚)「唐突ですが。ショボンくん。」
藁にもすがるわたし。悪魔には魂を。
(*゚ー゚)「ショボンくんは、あいの薬を持ってはいませんか?」
ショボンは笑った、のだろうか。わからない。
(´・ω・`)「どんな?」
ショボンは案外、サドなのかもしれない。
そしてわたしは、マゾなのかもしれない。
(*゚ー゚)「ええと、たとえば、使った者が、虜になってしまうような」
ややあって。
(´・ω・`)「持ってるよ」
こともなげに。
60 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/29(月) 19:25:56.37 ID:u7006o94O
「暖かくなってきて、もうそういう季節だもんね。
常備しているよ。使えばきっと、これに夢中になる。
すごい効き目さ」
すごい。
「それ、頂けませんか?」
「なんで?」
まるでフランス貴族の顔。かの、マルキ・ド・サド。
「…内藤くん、に」
「ブーンに?」
「はい」
「ふぅん。
君はあいつをよく見ているんだなぁ。
あいつは気付いてないよ、きっと」
それはそうだ、気づかれたら、困る。
「だから」
「うぅん、これは気に入ってるんだけどなぁ。
わかったよ。じゃあしぃさんから、これをブーンに渡してくれ」
63 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/01/29(月) 19:27:47.87 ID:u7006o94O
そうしてショボンは、手提げ袋から緑のアンプル容器を取り出し、
わたしの掌に。
ありがとう。
(´・ω・`)「うぅん、しかしなんで君がわざわざ?
君は…もしかすると、ブーンが好きなのかい?」
なぜ、それを今更。
最初の時点で気づくだろう。普通
(´・ω・`)「まぁいいや。
しかしやっぱりすごい観察力だ。
内藤が花粉症だと、どうしてわかったんだい?」
わたしははっとした。
わたしの掌。
その中には。
目薬。
あいの、くすり。
ああ、くだらない。くだらない。
そしてショボンは、にやりと笑った。
了
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