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('A`)ドクオは革命を起こすようです



165 名前:感想求む[] 投稿日:2007/01/29(月) 22:51:46.24 ID:GFWisq5aO
――涙はとうに枯れ果て、叫びは既に届かない。しかし、なぜか俺は走ることを止めない――

(´・ω・`)「時間だよ」
('A`)「おう」

ドクオは壇上に登って一面を見渡した。ある者は目を血走らせ、またある者は、奥底でたぎる激情にうち震えていた。
一触即発――将にこの寒空の元に集まった男どもを形容するにふさわしい。

('A`)「……俺たちは、色々なものを支払わされてきた」

決して大きくはない声。しかし、その不鮮明さとは裏腹に、聞き逃した者は皆無に等しかった。

('A`)「財産は言うに及ばず、恋人や両親を奪われた者もいるだろう」

静寂が流れた。きっと屈辱の日々を噛み締めているのだろう、とドクオは感じ取った。

('A`)「しかし、奴らが奪った中でも、我々の最も守るべきであったものは何だっただろうか?
……それは、尊厳だ!人間の尊厳だ!人間が生きていく中で、最も失ってはならぬものを、奴らは当然のように奪ったのだ!」

167 名前:感想求む[] 投稿日:2007/01/29(月) 22:52:44.08 ID:GFWisq5aO
静寂が熱を孕み始め、辺りから嗚咽が溢れた。下位、下餞、下級――それが男たちの代名詞であった。

('A`)「今日こそ、今日こそ奴らの血をもって、その代償を支払わせてやるぞォォ!!!!」
「「「「「オォオォオ!!!!」」」」

爆発、圧倒的な爆発。あたかも化学反応が引き起こすスパークのようだった。

――ああ、わかった――

ドクオは空を仰いだ。暗雲が立ち込め、雷が祝福の独唱を贈っていた。

――俺には、責務があるんだ。人々の怒りを、具現化せしめる責務が――

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('A`)ドクオは革命を起こすようです

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168 名前:感想求む[] 投稿日:2007/01/29(月) 22:53:44.34 ID:GFWisq5aO
燦々と輝く太陽。馬たちが戯れる蹄音。川は命のせせらぎを呈し、山は魂の不滅を物語っていた。

J( 'ー`)し「ドクオー、ご飯よー!」
('A`)「はーい!」

犂がころんと音を立てて地面と接触した。季節は初夏。農家たちが田植えに精を出す時期である。

('A`)「……」

皿の上には雑穀の塊と屑野菜のみ。食べ盛りの青年には些か物足りなかった。

('A`)「(文句は言えないな……)」

とはいえ、食事は食事。仕方なくぼそぼそとスプーンを口に運んだ。

('A`)「そういえば、親父は?」

普段ならば我先に働き、我先に食事を頬張る剛壮な大黒柱の姿はなかった。

J( 'ー`)し「お父さん?お父さんなら、地主さまの所だよ」
('A`)「……何かあったの?」
J( 'ー`)し「取り分の話だよ」
('A`)「そっか……」

スプーンを持つ手が止まった。ここ数年、小作人と地主の間では、収穫の貢納についての交渉が頻繁になっていた。

169 名前:感想求む[] 投稿日:2007/01/29(月) 22:55:40.63 ID:GFWisq5aO
しかし、それは平行線を辿るばかりで、小作人たちの要求はのらりくらりとかわされるだけであった。

( ゚∀゚)「帰ったぞ!母さん、水を一杯くれ!」
J( 'ー`)し「はいはい」

椅子が大きく軋む音とともに、ドクオの目前に髭もじゃの顔が巨大な存在感をもって現れた。

( ゚∀゚)「大声を出しちまったから、喉が渇いていけねぇ」
J( 'ー`)し「……どうだった?」

水を差し出しながら、ドクオの母は恐る恐る尋ねた。それでいて、どことなく分かりきったような、諦めめいた表情であった。

( ゚∀゚)「駄目だったよ。話にならなかった」

水は瞬く間に消えていった。そして力の篭った、テーブルと器がぶつかる音が室内を振動させた。

J( 'ー`)し「……そう」
( ゚∀゚)「息子の結婚が近いから、今年だけでも貢納を下げてくれって言っても、聞いてくれねぇんだ」
('A`)「……ごめん」
( ゚∀゚)「お前が謝ることじゃないだろう」

171 名前:感想求む[] 投稿日:2007/01/29(月) 22:57:48.47 ID:GFWisq5aO
ドクオには婚約者がいた。収穫がひと段落ついたら結婚しようと誓い合っていたのだが、結婚には金がかかる。
それ故、ドクオの父は、普段にも増して喉を張らして交渉に挑んだのだった。

( ゚∀゚)「おい、ドクオ。午後は引けていいから、クーちゃんの所へ行ってこい」
('A`)「……えっ?」

虚を突かれ、間の抜けた声を漏らしてしまった。

( ゚∀゚)「いいから、行ってこい。若いときだけだぞ、恋に現を抜かせるのは」
('A`)「……でも」

午後も働かねばならないのは、決まりきった事実である。働かざるもの食うべからず、それが小作人たちの掟なのだ。
しかも、田を均す作業は過酷。いくら剛腕の父でも、一人では明日に支障すらでるかもしれないのだ。
両親はそれほど若くない、とドクオはよく知っていた。

( ゚∀゚)「なぁに、心配するな。俺は元々一人で田を切り盛りしてきたんだ。さぁ、行ってこい」
('A`)「……」

173 名前:感想求む[] 投稿日:2007/01/29(月) 22:59:18.88 ID:GFWisq5aO
優しい頑固さ。父の美徳である。ドクオは、父の意見が曲がらぬこともよく知っていた。

('∀`)「わかった。夕飯までには帰るよ!」

急いで食事を平らげ、野良着を脱ぎ、ドクオは一丁羅のジャケットを身に付けて外に出た。
クーの家までは15分。しかし、昼飯時に尋ねるのは億劫なので、暫く野原に寝そべって時間を潰してから戸を叩いた。

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174 名前:感想求む[] 投稿日:2007/01/29(月) 23:00:33.19 ID:GFWisq5aO
('A`)「怯むな!進めぇ!」

城門に向かって波が押し寄せる。波は恐れを知らず、悲しみを捨て去って全てを飲み込んで行く――!

ふと、ドクオの頭に、白い柔肌がよぎった。命のやり取りには不要の感覚だったが、捨て去ろうにも捨てきれず、消し去ろうにも消えないもどかしさがあった。
それはたゆたった、感情を越えた感覚であり、きっと男たちも同じような感覚に囚われているのだろう、とドクオは予測した。

(´<_` )「ドクオ!正門は制圧した!どうする!?」
('A`)「隊を二つに分けて、片方は敵軍を引き付け、残りは後方の門から侵入して制圧するぞ!」
( ´_ゝ`)「よし。よく聞け!命の惜しくない者は俺について来い!」
「「「オぉオぉオ!」」」

波は二つに裂け、城を覆って行く。城は蟻地獄に飲まれていくかのようである。

175 名前:感想求む[] 投稿日:2007/01/29(月) 23:02:13.25 ID:GFWisq5aO
(  )「隊長!敵の司令官なるものが交渉をしたいそうです!」

しばらくして、伝令が息を切らせてドクオの元へやって来た。このタイミングで交渉とは、体勢不利と察したのだろうか。

('A`)「こう……伝えろ!」
(  )「はっ!」
('A`)「『壮絶の内に死ぬ』か、『静寂の内に死ぬ』か、選ばせてやると」
(  )「かしこまりました!」

――引く気など毛頭ない――

――搾取、それも絶望的なまでの搾取を奴らに味わわせてやる――

――それを享受することが、奴らに出来るただ一つの償いなのだから――

――つづくかも



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