( ^ω^)ブーンは反逆するようです


598 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/11(日) 03:14:07.79 ID:kx5XV9nIO
隆起した岩場を抜けると、唐突に町があった。
辛うじて雨風を凌げる程度に崩壊を免れたビル。
トタン屋根の小屋。それらが整然と並んでいた。

ξ゚听)ξ「これがこっち(ロストグラウンド)の現状?」
( ^ω^)「やっぱり、アンタはアウターかお」

路上には、点々と、痩せた人が壁に寄り掛かっている。
それを見やると、ツンは悲愴な顔をした。

突如起きた隆起現象により、海で隔離され孤島と化した土地、ロストグラウンド。
しかし、それは十数年前の出来事である。
が、未だ、この孤島には貧困が溢れ、荒廃していく。
その主な原因がアルターだった。
周囲の物質を意思の力で分解、再構成する能力。
性格や願望を反映して形を変えるその力は、強大な破壊力を誇っていた。

ξ゚听)ξ「アウターだから何だって言うの!?」
( ^ω^)「こんな光景、こっちじゃ当たり前だお。
    それなのに、こんな光景見る度にそうして泣くのかお?」
ξ゚听)ξ「べ、別に泣いてなんか」

慌てて目を擦る。言う通り、少し腫れていた。

( ^ω^)「泣くなんていつでも出来るお、アンタは何かをする為にここに来たんだお?」

599 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/11(日) 03:14:53.34 ID:kx5XV9nIO
ブーンの言葉は、ツンには戸惑う程に優しく聞こえた。

ξ゚听)ξ「そうね……ありがとう。じゃあそろそろ下ろしてくれる」
( ^ω^)「あいお」
(´・ω・`)9m「ちょっと! ちょっとちょっと待ったぁぁああそこの車!」

ツンを下ろす為、スピードを落としていた車の前に、突如男が立ちはだかる。
情け無く垂れた眉に反し、太く五月蠅い声が早口に捲し立てる。

(´・ω・`)「それ、俺のだよなぁあ? 何でお前が乗ってんだよ!? なぁ?」
( ^ω^)「これはブーンのだお」
ξ゚听)ξ「ここに来る途中チンピラから奪ったんでしょ?」
(;^ω^)「余計な事を……まぁだからブーンの車だお」

それを聞くや、男の怒りが更に増した。
口調は荒れ、額に浮かぶ血管がヒクヒクと動く。

(#´・ω・`)「そのチンピラはなぁ、俺の部下だ。つまり部下の車は俺の物なのは当たり前!
   俺より弱い、お前の物が俺の物なのも当たり前なんだよぉぉおお」
( ^ω^)「いいや違うお。車を守れなかったお前はブーンに劣るお」
(#´・ω・`)「その言葉に屈っする俺、ショボンはいない!」
( ^ω^)「なら!」
(#´・ω・`)「だったら!」
( ^ω^)『戦うしかないだろ!!』('・ω・`#)

600 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/11(日) 03:15:52.15 ID:kx5XV9nIO
ブーンは車から飛び下りると、両手を広げた。
一方、ショボンは左手を前に突き出し、右手を横に広げる。
両方が、身体から虹色の光が迸る。と、周囲の建物や道が突如抉れ、塵と化した。
その塵が二人の身体へと集まっていく。
ブーンの四肢が、機械的なものへと変貌していた。

( ^ω^)「これが、高品質なブーンだお」

ショボンも、両手の形が変わっていく。
突き出した左手に、黒い筒が現れていた。
逆に、右手は銃の撃鉄の如く形を変える。
そして、それと共に眉すらも。

(`・ω・')「力とは何だ!? それは相手をぶっ飛ばす超強い力!
    最初は拳、次は槍、それが進化し銃になった! だがぁあ! 銃はそれだけあっても意味はない!
    銃にとっての力、それは弾丸、超強くて速い弾ぁぁああ」

ショボンの咆哮。それは発射を知らせるトリガーの如く、
振りかぶった右手を左手の筒へと殴りつけた。

(`・ω・')「敵を貫く俺のぉおブロークンマグナーム!」
(;^ω^)「ウォォオオ」

傍で見守るツンの鼓膜が破れそうな程の、発砲音が辺りに響く。
はたして、ショボンの弾はブーンの腹へと命中していた。

601 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/11(日) 03:16:58.27 ID:kx5XV9nIO
いや、否、正確には命中ではなかった。防がれていた。
アルター使いとはいえ、アルター化していない部位は脆い。
本当に命中していたならば、ブーンの腹に大きな風穴を開けるはず。
だが、ブーンはうずくまっているだけである。

(;^ω^)「おっおっ、両手で受け止めてなけりゃ貫通してたおwww」
(`・ω・')「ふん、だが貫通しなくても衝撃がある」
(;^ω^)。oO(確かに、多分腹に痣出来てるお)
(`・ω・')「ではッ! 追撃のブロークンマグナーム!」

ショボンの撃鉄が爆ぜた。
それを横に飛び、避けると、ショボンを中心に、円を描く様に走り、徐々に近付いていく。

(;^ω^)「飛び道具とかねーよ……もっと近付かないと」
(`・ω・')「ちょこざいなぁぁああ! 炸裂のブロークンマグナーム!」
(;^ω^)「炸裂? ちょwww」

ブーンは直ぐさま反応し、外側に飛び退いた。
直後、放たれた弾が、ショットガンの如く弾け、ブーンに突き刺さる。

ξ゚听)ξ「あれだけ強気だったのに激弱じゃんwww」
( ^ω^)「チィッ」
(`・ω・')「お前、ピンチだってのに何だ? その目は!」

ショボンの言う通り、ブーンの身体はボロボロだった。

602 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/11(日) 03:18:35.84 ID:kx5XV9nIO
( ^ω^)「だが、負けた訳ではないお」
(`・ω・')「負け惜しみを!」

ムクリと立ち上がると、ブーンが走った。
常人の比ではないアルター化した足の速度は、凄まじかった。
みる間に距離を詰めていく。
が、ショボンもそれを見過ごす訳もない。

(`・ω・')「迎撃のブロークンマグナーム!」
( ^ω^)「これが挽回のクオリティィイイ!」

ショボンの弾と、ブーンの拳とが、正面からかち合った。
激しく火花が散る中、弾が押し返されて来るのがショボンには分かった。

(;`・ω・')「もう一回撃たなければ」
( ^ω^)「遅いお!」

撃鉄を下ろす前に、ブーンの拳がショボンに届いていた。
拳が、砲身に弾を送り返す。

(;`・ω・')「ヌァァアア!」

眩いばかりの光が、ショボンの砲身から上がった。
その直後、爆発の衝撃がショボンを襲う。

(;^ω^)「これが、ブーンの高品質な戦略だお」
(;`・ω・')「ゲハッ…だが、まだ終わらんよ…理想の力、弾こそ力」
(`・ω・')「だからぁぁああ! 俺が弾ぁぁぁあああ!!! ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ…ハァァァアア!!」

ボロボロになり、アルターが解けて尚、ショボンは立ち上がった。そして叫んだ。

603 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/11(日) 03:19:28.52 ID:kx5XV9nIO
両手を前に突き出し、手を組み、アルターを発動させる。
最初より激しく、辺りを抉り、塵と化す。
それらが組んだ手の先から身体へと、構成されていく。

(;^ω^)「これは、弾丸!?」

ブーンの目の前にあった物、それは異常なまでに巨大な弾丸。
ショボンの全身に纏った弾丸のアルターだった。

(`・ω・')「俺自身でこの弾は撃てない。俺に勝つ勇気があるなら叩け」
( ^ω^)「叩くお」

ブーンに迷いなど無かった。飽くなき執念が、右腕を高く掲げさせる。
「最後だお」と囁き、薬莢部へと振り下ろした。
その瞬間、世界が震えた。
窓ガラスが弾ける程の爆発音を残し、ショボンが凄まじい速さで飛ぶ。
それは、家々を薙ぎ倒しながら町を突っ切り、隆起した岩場に跳弾し、徐々に軌道を変え、ブーンに迫る。
一方、ブーンも弾に向かい走り出した。
互いに常軌を逸した加速であった。

(;^ω^)「ブーンの拳がお前を砕くお!」
(;`・ω・')「これで終わりだぁぁああ! パワー・アンド・マグナム!!」
(;`ω')「これが撃滅のクオリティィィィイイイ!!」

衝突の瞬間は静かに訪れ、一瞬の後、衝撃波が二人を中心に広がった。

604 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/11(日) 03:20:42.29 ID:kx5XV9nIO
弾丸と拳。両者がぶつかり、押された方が負ける。
雌雄を決する最後の大勝負。

(;`・ω・')「光に」
(;`ω')「もっとだお」
(;`・ω・')「光になれぇぇええ!!」
(;`ω')「もっと輝けぉぉおお!!」

と、ブーンのアルターが白く輝き始めた。
二人以外、誰にも聞きとれない咆哮。
二人以外、誰も気付く事の出来ない、弾に生じた僅かなヒビ。
その僅かなヒビから、ボロボロと外壁が崩れ落ちる様にショボンのアルターが抉れた。
そして崩れ落ち、塵と化して荒野の風に舞う。

(;^ω^)「はぁはぁ……ブーンの勝ちで、お前の負けだお」
(;´・ω・`)「クソッ……ざけんな…俺の車を」
( ^ω^)「負け惜しみかお?」
(#´・ω・`)「糞が………ペッ」

苦々しげに唾を吐き捨てるショボンを背に、歩き出す。
今のブーンの頭の中には、自分の家でゆっくりと休む事しか頭になかった。

( ^ω^)「おっおっ、まぁ良いお」
(;゚ω゚)「って、アッーーー! 車蛾物故割れてるお」
ξ゚听)ξ「あれだけ派手にやれば当たり前でしょ」
(;^ω^)「あうあう……歩いて帰るお」

こうして、仕方なく、ブーンはトボトボと歩き出し、帰路を急ぐのだった。

606 名前:愛のVIP戦士[] 投稿日:2007/02/11(日) 03:25:54.46 ID:kx5XV9nIO
( ^ω^)「で、何でついて来るんだお?」
ξ゚听)ξ「別に、この町にいる意味がなくなっただけ
    だからついていってるわけじゃないわ」
( ^ω^)「まぁ良いお」


( ^ω^)ブーンは反逆するようです
二章完


タイトル忘れたからこれであってるかわ分からない

取りあえず、説明は書いたんだが、大丈夫かな
批評、感想、良かったらお願い



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